システムの盲点への警鐘 | PTD ~ Pilot To Dispatch ~

PTD ~ Pilot To Dispatch ~

ヒコーキオヤジのひとりごと
 空の話、ときどきタイのネタ…

 覚えている方もいると思うが、以前、
預け入れ手荷物にナイフを入れ、
それをピックアップした後に通路を
逆行して出発ロビーに戻り、そのまま
搭乗してジャンボジェットをハイジャック、
機長を殺害するという事件があった。
 
 にもかかわらず、先日那覇空港で
同じようなアクシデントがあり、保安
検査後の制限エリアにいた乗客を
全員一旦外に出し、検査をやり直す
事態となった。幸い事故や事件には
ならなかった。
 
 パイロットが故意に機体を墜落
させて乗客や他の乗員を道連れに
するという事件、実は以前にもあった。
しかし、今回も起きてしまった。
(本当に副操縦士の自殺飛行ならば
 …が前提の話であるが)
 
 人の命を犠牲にしてまで得た教訓が
なぜ現場で生かされていないのか?
オフィスに座ってタバコをふかしている
連中にはわからないのかもしれない。

 しかし、ひとたび飛行機が墜ちれば、
運賃収入の何十倍、何百倍もの補償、
賠償金が出て行ってしまうのである。
 
 航空会社でできるもの、空港運用
会社と共同でなければできないもの、
行政の介入が必要なもの… 色々な
ケースがあるだろう。

 しかし、人の死を以って示された
システムの盲点は、残された者が
責任を持って改善していかなければ
ならない。一歩でもより安全な運航に
近づけるために。