水の都、バンコクには今でも水上バスが
残っている。水上バスといえば聞こえは
いいが、実際はドブ川のような運河を走る
乗り合い船。
長年乗ろう乗ろうと思っていたのだが、
あの運河の臭さに二の足を踏み続けてきた。
今回、意を決してついに運河ボート利用に
踏み切った。

船着場はこのようなソイ(表通りから横に
枝分かれした小道)の行き止まりにある。
ここは私のホテルがあるソイ11から最寄の
ソイ15船着場。生意気に看板まで出ている。

簡素な桟橋。運河の両側には歩道も整備
されている。この運河を満たしている液体…
一体何を混ぜたらこのような色になるのか?
という、黒ではない複雑な色、比重は絶対に
1以上はある思えるねっとり感、何よりも、
昔の隅田川のほうがよっぽど上品だったと
思えるくらいのヘドロ系のドブの臭い(笑)
折からの高温に煽られて、この水のような
液体の奥底からはメタンガスと思われる泡が
ポコポコと浮き上がって来ており、やわな
人だったらこの時点で運河に撒き餌決定!
というぐらいの壮絶な悪臭。

そこに波を立て、しぶきを撒き散らして走る
運河ボート! うっかり水しぶきを浴びたら
皮膚が溶けてしまうのではという恐怖さえ
感じるのだが、そんな水に入って遊んでいる
子供たちもいるのだから、タイって奥深い。
そんな劣悪な環境なので観光での移動には
お勧めできない運河ボートだが、確かに早い。
渋滞もないし、船着場もそれほど多くない。
プラトゥーナム方面(ピンクのカオマンガイや
スーパーリッチ、Mr. Feet)に出かけるには
下船徒歩数分と、アクセスも格段にいい。
でも、それだけ。肝心のソイ15船着場
までにはかなり歩いたし、あの臭いは今でも
思い出せるぐらい強烈なものだったし、
まぁ、私でも二度と乗ることはないだろう。
もしこんな「裏道シャトル」に挑戦してみたいと
思われる方がいたら、よほどのタイ好きか、
かなりの変わり者ですぜ(笑)