クリミア半島がロシアによって
実効支配されて数日が経つが、
欧米はいまだに効果的な対策を
打ち出せていない。
日本はその対策会議に顔を
出すことさえできずに蚊帳の
外である。まぁ、これはこれで
良い面もあると思うので、特に
不満はない。
だが、ここで日本はこの問題を
対岸の火事として受け流しては
いけない。実はこの一件、日本の
外交政策にも警鐘を鳴らしていると
思うからだ。
北方領土…
プーチンは歴代ロシア指導者の
中でも卓越して北方領土を話題に
出し、「返還」をちらつかせながら
巧みに経済や技術分野での
結びつきを強めようとしている。
しかし、この流れに乗って
仮に北方領土返還~日露平和
条約締結などと話しが進んだと
しても、日本経済がロシアと
ズブズブになった頃合を
見計らって北方四島の住民が
「やっぱりあの頃のロシア統治の
時代がよかった」とか言い出して
勝手に住民投票をして独立を
宣言してしまったら…
今回のクリミアとまったく同じ
スキームで北方領土はロシアに
再統合されてしまうだろう。
もしそんなことが現実に起きたら、
北方領土は今度こそ日本に
戻ってくることはない。
今回のクリミア独立運動だって、
一般住民の中から自発的に湧き
上がったわけではあるまい。
巧妙に計画された扇動による
ものだと私は考えている。
ロシア人の甘い言葉には
必ず毒がある。
プーチンがKGB出身だということを
忘れてはならない。