(前回のつづき)

あれはスペインのことだったでしょうか。


実はこのスペインという国、

僕が行った国の中でも、
屈指の「英語全然通じない国」
であったので、

入国して早々に、えーと「英西辞書」ですか?まあつまりスペイン語に対して英語の訳がついてる辞書を手に入れて、苦しみつつも何とかやっておりました。



しかしこの「英西辞書」は、
地元の(おそらくは古本屋)で、しかも一番安いポケットサイズのものだったし、
それから当然ながら、


英語・スペイン語どちらも僕には大して(全く)得意でないジャンルの言語(じゃあナニが得意だっつーの)だったので、とてーも調べにくい。



それに文法が未知だったので、
日本語→英語→スペイン語という、段階を経て、
無理矢理に単語をただ連結させただけのものは、地元の人々には正に奇々怪々の言語。






・・・おそらくは、「私のお金でお腹を幾らを、ですか?」とか何とかまあ、これは適当に今考えたやつですが、
日本語にしてみると、こういうレベルの奇天烈なやつを連発していたことでしょう。

う、ううううー。





で、旅も中盤になり、
南部のグラナダという街にたどりつきました。
世界遺産のアルハンブラがあるとこです。


この街があるアンダルシア地方は、例によって連日蜘蛛じゃなくて雲一つ無い青空、どこ行っても、結構暑かったのです。



真面目な僕は、

それまでに辞書で調べ、

「いや、暑いですねー」という台詞を作成しておりました。





市バスに乗り、中心街へ向かう中、僕は地道に練習。


「暑いぜ!」「暑いなあ!」とかいう感じで、その自作スペイン語フレーズを、ブツブツと連発しておりました。




何と行ってもこういう類の言葉は、世界共通で、共感を呼ぶものがあります。



市バスの中にいる、

気のよさそうなおばさんとか、お嬢ちゃん運転手さん等々が、この僕の言葉を聞いて、

とろけるような微笑みでもって、「いや兄さん、全く暑いねえ、んだんだ」などと話しかけてくれるかもしれません。

いや、顔色が悪い東京人などと違って実にこりゃいかにも「ありそうな」話です。うんうん。






(15分経過)






・・・どういうわけか、市バスに乗っていたのは、クライ連中ばかりだったらしいな・・。
けっ、何だよォ、ここは東京か?(けなしているわけではありません)
スペイン人は声がデカイだけで、実はノリが悪いんか?
ほへぇ~ん(しつこいですが、けなしているわけではありません)



などと、まことに身勝手 かつ 自意識過剰なロジックでもって、

拍子抜けになった僕は、
やはり「暑いよ」「暑いわ」などとブツブツ
言いつつ、宿を探し、ようやくそこに荷を降ろしました。




ひとごこちついた僕は、「ひょっとして、この構文は難解だったか?」と、段々思い始めました(根は小心)。



そこでまた例によって、宿のあんちゃんをつかまえて、事情を話し(英語)、ネイティブの意見を聴きました。



(つづく)