エピソード29「岐路」 | LACC(Life&Art Consierge) Blog

エピソード29「岐路」

エピソード29「岐路」

 2度目の結婚をしたちょうどその頃、ボクのところに、契約画廊を通じて、3つの仕事が舞い込んでいた。

 ひとつは、ボクの熱狂的なファンである、モンテカルロのレストランの経営者が、自分の店の大きな壁面に大壁画を書いてほしい、という注文だった。製作期間は?と聞かれ、1年もあればと答えると、よろしい、画料のほかに、その間の宿泊滞在費一切を持ちましょうというもの。

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 モンテカルロの夜


 もうひとつは、パリ郊外の幼稚園を併設した小さな教会が、コンテンポラリー(現代的な)な大教会に新築・模様替えするため、すべての壁面のステンドグラスをボクに作ってほしいというもの。

 三つ目は、アメリカの画商から、ロスに3ヶ月滞在してシルクスクリーンを制作しないか?画料のほかに、往復渡航費、滞在費一切は負担というものだった。

 この3つのうち、最初の大壁画にも、ボクは心引かれた。カジノのある歓楽地、モンテカルロで、一年間無料で暮らして、自分の作品が残せるなんて、悪くないからである。

 しかし、パリから見ると、アメリカ西海岸は魅力あふれる新世界だった。それに、シルクスクリーン版画は、以前から手がけてみたいと思い続けていたメディア。しかも、期間3ヶ月というのも好条件である。

 なぜならば、モンテカルロの経営者は、今都合が悪ければ、待っていてもいいと言ってくれた。だから、ロスでシルクを制作して、3ヵ月後、モンテカルロに行き、壁画の大作を作るということもできるな、とボクは、例によって勝手に胸算用していた。


ここでの決断が、ヒロヤマガタの人生を大きく変えることになるとは誰も思っていなかった。



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