エピソード24「パリ・ボヘミアンのジャズ狂い-2」 | LACC(Life&Art Consierge) Blog

エピソード24「パリ・ボヘミアンのジャズ狂い-2」



エピソード
24「パリ・ボヘミアンのジャズ狂い-2


 オーガナイザーの他に、当時、ボクは各公演の宣伝ポスターをすべて描いていた。なかでも、評判になったのが、今でもロスのアトリエ残っている、ヌードのポルノチックな姿態をリアルに描いたポスターだった。はじめそれを、顔見知りのカフェやブティックに持って行ったら、「ああ、2枚貼ってあげましょう。」なんて、親切そうに言われて、喜んで2枚置いてきたら、なんのことない。次の日見たらぜんぜん貼ってない。


 そこで、こいつはヤバイと、その晩、真夜中に、みんなでシルクスクリーン刷りのヌード・ポスターをパリ市内の盛り場全てに、ベタベタと貼りまわって来た。

 ところが、なんと、翌日、パリ市内からボクのポスターは、全部消えた、つまり、盗まれていたのであった。

 ここで、面白いのが、そのポスターの日本女性の顔が、2番目女房にそっくりなことである。なにしろ、彼女は、その頃パリにいなかっただし、ボクと知り合う数年前のことだから、ボクも彼女の顔を知っているはずはない。まったくの想像で描いたものが、潜在的にポスターを描いた頃のボクは、ああいう顔の女性に巡り合うことを、心のどこかで、ひそかに願望しえいたのかもしれない。また、どうして、そんな絵を?ともよく聞かれたが、絵を描く時、別に、一々さまざまないきさつや事情を意識して描くわけではなく、ほとんど無意識に手が動いて、一気に描きあげてしまうが、また、そのときの気分ということもある。あのポスターの原画を描いたときの気分がどうだったかはまるで覚えていないが、もしかすると、最初の結婚生活のゴタゴタの、屈折した投影かもしれないが・・・。


 結婚生活のゴタゴタといったが、その責任の大半がボクにあった。というのは、ジャズのオーガニゼーションにのめり込んでいたボクは、絵を描いてはその画料の大半を、コンサートや、その頃こりはじめたパフォーマンス、あるいは、ミュージシャンとの付き合いにつぎ込んでいたので、自然に、家庭生活はおろそかになり、彼女(サチ子さん)にわたす家計も不足がちになっていた。なにしろ、ボクの関係のミュージシャンが、よく居候を決め込み、うちに宿泊していたが、その面倒も、サチ子さんが嫌でも見ないといけなかった。

 サチ子さんは当然のように、不安になり、二人の間にケンカが絶えなかった。もちろん自分勝手なボクに、県下の大義名分があるわけではなく、多分ボクは、三つ年上のサチ子さんに甘えていたところがあったのかもしれない。手痛い失恋をして、女性の怖さを嫌というほど味わったあとに、やっと優しい異性に巡り合ったと信じて、わがままの仕放題をしていたのだから。

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      1985「野外音楽会Ⅱ」