リオは、喋らない。
そらねこが話すのを待っているのか
言葉に詰まっているのか
それは分からない。
そらねこは…、………私は?
「リオ。」
「そらねこに言ってくれたよね。
自分を大切にしてって。
リオの生きている世界はね、
確かに、義務としてしなければいけないことが沢山あるかもしれない。
子どもの面倒をみることは当然、親の役目だし、
その為には仕事も家事も、必要なことなんだよね。」
でも。でも。
「…でも、そのせいでリオが苦しくて、辛いだけなんて」
それは、仕方のないことかもしれない。
誰だって、理想と違う結婚生活を送る可能性はある。
楽しいことばかりじゃないのは、むしろ普通のことだ。
それでも。
自分を押し殺してまで造る生活って、何だろう。
「リオだって、リオを大切にしてないよ。」
リオは、優しい人だ。
無責任なことは絶対にしない人だと思う。
でも、それじゃあ誰が彼に優しさを与えてくるの?
「そらねこだって、リオが苦しいと苦しいよ。」