――いや、なろうともしなかった。
気が付いたら人生折り返しのアラフィフ女子になっていて、恋愛も結婚もスルーされてしまったまま、ここまで来てしまった。
以前の職場で実年齢と独身であることをいうと、「もしかしてバツイチー?」と容赦ない言葉をかけられた記憶がある。言った本人は悪気がないのは知ってるけど、傷になったのは言うまでもない。
やはり、40歳を超えても結婚していないというのは特殊ということなんだろうか。
幸い、実家の両親は結婚しないままここまで来た娘に対して何も言わない。若い頃は「女は結婚していっちょ上がり」という考え方だったので、見合い話をもらってたりしたけどそれも数回だけ。私自身が結婚に対して、何も考えていなかったことが最終的な決断になった。
何も考えていない、といっても『結婚=ゴール』のその先が描けなかっただけのことだった。
この先、結婚できたとしても養子縁組や、相手の連れ子の関係次第でしか『母』にはなれないと思っている。ただ、そういう未来の描き方が全く出来ないので、この選択肢はないと思う。
ただ、今言えるのは結婚を頑張ろうとしても、努力が足りなさすぎて出来なかっただけのこと。
自分の価値観が明確にできなかったことなのかもしれない。