数日前に読んだ記事で、体調が悪いのに出社する若い人…という記事を読んだ。
この記事を読んだ直後、実家の母親から電話がかかってきた。その日は10連休最終日でもあった。
母は「明日、体調が悪くても休んじゃだめよ。自己管理が出来てないとみなされるから」といった。
確かに、体調不良で休むと自己管理が出来ていないと思われている。ひどい場合は自己責任でそうなったと言われる。それがたとえ、コロナになったとしても全部自己責任で片付けられてしまうのだ。
しかし翌朝――喉に違和感があった。咳もでる。熱はないから出社しなきゃと思ったが、体力がついていけなかった。
このままだと自己管理が出来てなく、自己責任で体調不良なったとみなされる。
ただ、体力がついていけなくてその日は休むことになった。
ぐるぐるして、自己管理が出来ていない自分を恨んだ。
翌日は熱もないけど、咳ぐらいならどうにかなる。仕事もやらなきゃいけないことが山積みだったから出社した。しかし、咳が出て周りの反応もあまり良くない。
見かねた上司から呼び出されて、強制的に早退を促された。
「やらなきゃいけないことがたくさんあるので、帰りたくないです」
そう言っても通じなかった。
「いいから帰りなさい。あなたの体調が心配だから、良くなった時に働いてもらいたい」
上司はそう言った。
その言葉で帰ることにした。病院はこの日が休みだったので行かず、自宅で横になっていた。
家で横になってた時、不意に思った。
母の言った言葉は、昭和的価値観そのものではないだろうかと。あの世代なら常識として受け止めても仕方がない。
しかし、現在の労働環境はコロナ禍も経たことで、『体調が悪かったら休む』のが当たり前になったのだ。体調が悪くても頑張るのが美徳、という時代ではなくなったのだ。
――それが給料に反映されなくても。
それに、親から独立して10年近くたつのに、その呪縛から逃れられたと思っていた。しかし、小さな言葉のトゲが、そっちに戻そうとしている。
私は、連休が明けた時にきちんと出社できるように準備だけはしていた。しかし当日になって、声が出なくなったり、咳や痰が出てきて、労働意欲を削ぐような体調になってしまった。
たぶん、昭和の価値観でいうと『自己責任』なのかもしれない。どこかでおろそかにしてないかという…自己管理すら出来てないので、この価値観に違和感を覚える。
そもそも在宅ワークというのも、新しい時代の働き方の1つになった。
この働き方も、昭和の価値観としては「ラクしている」とみなされてるとか。はたしてそうなのか、よくわからないけどこういう選択肢もありだと思っている。
(ただ、今の職場では在宅ワークは存在しないけど)
とにかく、昭和生まれが昭和の価値観でしんどい思いをしたここ数日だった。