もうその場所には、二度と戻れないことが分かっているのに、振り返ってしまうのは、愚かなことかなと思うけれど。
かつての輝かしい時間は、過去のものになってしまい、過ごした記憶だけが、現在の私を、懐かしい事柄に引き戻そうとします。
現在、音楽について論じようとすると、テクノロジーとか技術のことばかりが浮上してくるけれど、かつてはそうではなかったはず。
音楽演奏はもっと人や社会と結びついていて、そのときを生きた人の人生とともに存在していたと思います。
1985年以降の世代は、生まれたときからすでに、シンセサイザーとコンピュータが存在していたため、そういったものがなかった時代に奏でられた、生の音楽を知りません。
また、今となっては、それを正確に再現して見せることもできなくなりました。
全ては過ぎ行く時のままに。私もまた、その中に埋もれていくのでしょう。
Something Stupid
Tony Osborne and His Orchestra(1972).
(2013-04-18 18:26:31)