
国産初の旅客機としてつくられたYS-11であるが、
量産1号機は、航空局に引き渡されている。
(3月17日、19日、20日、22日に連載済み)
機内は、もちろん、航空機援助施設点検用として特別仕様がなされている。
2004号機から2007号機までは、民間の航空会社に引き渡されたが、
2008号機と2009号機は、人員輸送機として、
航空自衛隊が購入している。
もちろん、海上自衛隊に引き渡されたYS-11もある。
今回は、海上自衛隊が保有する製造百機目の2100号機。
初飛行は1969年(昭和44)3月3日。
雛祭りの日が誕生日ともいえる。
そのためか、この機体には、トムボーイという愛称がつけられている。
操縦桿を見せてもらうと、そこにウィンクした女の子のワッペンが貼ってあった。
これが、トムボーイちゃんらしい。
「お転婆娘」という意味だそうだ。
のちに、家人がアメリカでは、お転婆な女の子をそう呼ぶらしいと、
一冊の本を見せてくれた。
工藤美代子著の『夢の途上』(集英社)という、
ラフカディオ・ハーンの生涯を描いた本で、
彼と何十年にも渡って友情を交わし、精神的に深いかかわりをもった
エリザベス・ブスランドという南部生まれの、典型的な南部美人のこの女性が、
子供時代、「トムボーイ」と呼ばれたという記述がある。
写真をみると、エリザベスはかなりの美人である。
2100号機は、そのような受け入れ方をされた、幸せな機体なのだ。
とはいえ、初飛行後、海上自衛隊用に特別仕様を受け、
翌年2月28日に海上自衛隊に引き渡されて、
5月16日に、205航空隊に配備された2100号機の、
特別仕様とは、
海面近くを長時間訓練する対潜哨戒装置、
P-2J(対潜哨戒機)と同じものを装備して、
その重量増加のために与圧装置がなく、
空中でも使用できるAPU(補助動力装置)や、
前部胴体の下に大型のレドームがついている。
かなりのお転婆娘なのである。
その様子は次回に。
写真は、2002年6月10日に撮影したもの。