すっごい前に読ませてもらったのを今更のせてみる。
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「ぅ…ん…?」
眩しいなぁ…
ん?
眩しい?
えッ?
目を開けると、カーテンの隙間から眩しい朝日が差し込んでいる。
〇〇は慌てて飛び起き、時計をチェックした。
AM5:00
「うわッ!朝じゃん!」
どうやら、昨日帰ってから直ぐに寝てしまったらしい。
寝ている格好もスカートにYシャツ。
「やっば~っい!」
慌ててYシャツを脱ぐ〇〇(また制服着るのに)。
〇〇はYシャツを脱ぎながら、昨日の事を思い出した…―
走って帰って、家の前でハァハァ言ってたら、犬に吠えられたんだっけ…。
『ただいまぁ…』
『おかえり、〇〇。』
『眠いぃ…』
お母さんがキッチンから出て来て…
『アンタ、凄い汗じゃない!どうしたの!?』
『ん…学校から走ってきた…』
『なんで?』
『先輩が雲雀さんのコト…カバ…じゃない…バカにし…』
その時疲れて、
眠くて、
ぼーっとして、
フラッてなって、
ドアの端に足が当たったんだっけ…?
―ガンッ―
『ッ痛ッ…』
『あ~あ~…ホラ、ご飯出来てるから、お風呂入っておいで!』
『ふぁ~い…』
で、ヨロヨロ2階の自分の部屋に行って、あまりの眠気に勝てず、ベッドに倒れ込み…、爆睡。
―…で、今。
「あ~ヤバい!」
〇〇は階段を降りた。
母は朝食の支度中。
「お…はよ。」
「おはよ、〇〇。
アンタ昨日、眠そうだったよぉ~。足ぶつけてたし。(笑)」
「あ」
《ズキーンッ》
思い出した。
足に激痛が走る。
「痛!」
「あ~あ。ホラ、薬塗って。
…アンタ、そう言えばまた学校行くの?」
「行くよっ!」
「元気い~ねぇ。」
ハッとした。
もの凄く学校に
…―イヤ、雲雀に会いたがってる自分がいる。
「〇〇?どうしたの?」
「あ、や。何でもないよ。支度してくるっ」
部屋に駆け込んだ。
自分の中の雲雀がどんどん大きくなっていく…。
なんでだろう…
胸がぎゅぅぅってなるよ…
「んあーッ!いい天気!」
〇〇は学校に向かった。
足取りは軽い。
ぶつけた所が何気に痛くて引き摺っているが…。
学校に着いた時、自分の部活のかけ声が聞こえてきた。
「ファイトーッ」
「ナイス!」
「もー1本いくよ!」
「「「ハイっ!」」」
「今は…何の練習だろ…頑張れ~。」
まるで他人事。
前は慌ててフェンスを登ってまで急いだのに。
でも…
今は…
雲雀さんに会いたい…
この感情は…
す…
す…
す…
す…
す…―
す―ッ
「おはよ。」
「キャーッ!」
いきなり後ろから
声。
鞄を放り投げてしまった。
心臓がバクバク鳴ってしている。
「何してんの?」
「や、あ、う、え、と、で、す、ね」
「落ち着きなよ」
「あ、は、い…。
ってめっちゃビビったぁ…」
〇〇はさっき放り投げてしまった鞄を拾った。
「君の声にもびっくりしたけど」
「え!?すみません!」
「ん。」
「じゃあ行きますか?」
「ん。」
そう言って2人は歩き出した。
―…が雲雀がすぐに〇〇の異変に気が付く。
「〇〇、君―…」
「え?」
「足ケガしてる?」
あ…
そう言えば…
「ええ。ちょっと…ドジしました(笑)」
〇〇が笑っていると雲雀はツカツカと近づいた。
「ったく…何してんの…」
あれ―…?雲雀さん…怒ってる…―?
「すみません…」
「心配したんだよ?」
…?
あれ?
え?
あの雲雀さんが心配…?(失礼ですよー
「鞄貸して?」
「え?」
「いーから。」
そう言うと雲雀は〇〇の鞄を持った。
「悪いですよぉっ」
すると、(お決まりの?)鋭い目付きで〇〇を見た。
「持たせないなら―…」
「噛み殺す…ですか?」
〇〇は舌を出した。
「著作権の侵害。」
雲雀はまた歩き出した。
〇〇は後を追った。
―もう止まらない―
風紀室に着いた2人。
「そ…うじ?」
「そ。」
今日は掃除をするらしい。
〇〇は部屋を見渡す。
汚い
嗚呼
汚い。
「頑張ろ。ね」
そう言うと雲雀はソファーに寝転んだ。
「うおおぉぉぉぃい!やる気0%ですよね!」
「おやすみ…僕の睡眠を遮ったら…Zz」
「はぁいっ♪おやすみなさぁい♪―…ってうおおぉぉい!」
〇〇はツッコミの手を素早く雲雀に向ける。
「やってくださいよぉ!こんな汚い部屋―」
Zz…
寝ている雲雀。
あ…
かわぃ…い
って見とれてちゃ
ダメじゃんっっ
〇〇はくるりと後ろを向き、机を拭き始めた。
その時
「しょうがないな」
ギシとソファーを軋ませ雲雀が起きた。
頭をかきながら立ち上がる。
「え…」
「起こしたのは君だろ。」
「…ぁはい」
どうしよ…
嬉しい…
「頑張りましょうねっ^^」
声が裏返った。
「…ん」
掃除開始。
〇〇は窓を開けた。
ビュウッぅ…
風が窓から待っていたかのように入って来た。
机の上にある書類がバサバサと、喜んでいるかのように騒ぎだす。
数枚、床へと滑り落ちた。
「うわっ、ちょっとっ」
〇〇は慌てて拾う。
その時、1枚の紙から〇〇の目が離せなくなった。
―風紀委員副委員長契約書―
内容は
見てはいけない気がした。
振り向いたが雲雀さんは…いない。
好奇心ってヤツ
風紀委員副委員長は一定期間のみ認める。
一定期間…
「ぅ…そぉ…だ」
それだけ頭に残る。
そしてその文の下には、雲雀の字で
`夏休み´
と書かれていた。
クシャ…
紙を握りしめていた。
なんだ…
夏休み
終われば
こんなの
イヤ
終わっちゃうんじゃん
ヤダ
期待なんて
して
た
ないもん
喉の奥がツーンってしたと思ったら
涙が出て来た。
ポタタタっ
紙に涙の
水溜まり。
「やだよぉ…ぅぅ…」
涙が出てくる。
最初はあんなにイヤだったのに。
喜べない。
雲雀さんが今いなくてよかった。―安心
もう終わっちゃう。―悲しみ
胸の奥が乱される。―苦しみ
色々な気持ちが混ざって―――痛い
ガチャ
「ただいま」
ビクッ
「どうしたの?〇〇?」
雲雀の足音が近付いてくる。
胸がぎゅぅぅぅぅって締め付けられた。
「いた」
背中がビクッと反応した。
「どうしたの。返事しな―」
そこで雲雀が見たのは〇〇の―涙顔。
「なっどうした?」
〇〇はクシャクシャになった紙を雲雀の胸元に押し付けた。
「なに、これ」
「終わっ…ちゃうじゃ…ないですかぁ…」
「え…」
「ふぇぇっ…ぅ」
泣きじゃくる〇〇に
どうしていいか分からない雲雀。
「〇〇―…」
雲雀が〇〇の肩に手を置いた。
優しくしないで…
心が
揺れる。
「っさょなら!」
〇〇は走って部屋を出た。
「〇〇!」
後ろから声が追いかけてきたけれど
走って走って走って。
もう
足の痛みなんて
忘れてた。
★続く★