紅き谷のサクラ 幕末幻想伝 新選組零番隊
観劇日:1月14日(土)  ソワレ17時開演
1月15日(日)マチソワ
(HP:http://akakitaninosakura.com/)

☆脚本・演出:根本正勝
☆会場:天王洲銀河劇場

☆出演者(メインキャスト)
天音屋サクラ:玉城裕規
柊一茶:馬場良馬
桐山甚兵衛:小澤亮太
染井蘭:平田裕一郎
雛森アキ:瀬戸早妃
長老:石倉良信
鏡止水:陣内将
藍座宗之進:山口馬木也


時間勘違いして着くのギリギリで走ったら20分前到着\^^/
良かった~呑気に掃除機かけてる場合じゃなかったな(笑)

始まる時のMが聴いたことあるんだけど…曲名わからないけど、SUM41?気になった(笑)



さてさて本編。
ざっとストーリーを書きますが、上演台本買ってないので違う所もあるやもしれませんがご容赦を。
後、ネタバレもろ含みます!





時代劇の滑走シーンのような音楽が流れ、まずサクラ達零番隊が板前方に並んでたって、後ろからきた敵の兵士をサクラが振り向いて斬り殺すのを合図に全員の殺陣。

ここまでは私もいいと思ったんだけど、その次のスクリーンが降りてきてロゴドーン!
各キャストさん達のビジュアルと名前ドーン!
根本さんの名前がドーン!
ロゴが映り、サクラが出てきて刀を振りかざす瞬間ロゴも切れるという演出

…メサイアっぽい見せ方、映画のクレジットみたいな自己紹介OPでした。
凄く時代劇っぽい(笑)


彼らは、新選組土方局長からの命令で結成された暗殺部隊との事で、サクラが隊長。
サクラは人を斬る事に嫌気がさしていて、切り殺された兵士達がゾンビのように群がってくる幻影に悩まされていた。(だからメイクでくまを作ってるんだね)
鳥羽伏見の戦いの最中、旧幕府軍が不利になり、徳川慶喜逃亡の為敗れ(鳥羽伏見の戦い)、零番隊の存在意味をなくしサクラ自ら零番隊を解散すると宣言し、各々で残りの戦場を生き残ろうとする。
山中でサクラは人影を見つけ辿っていったらそれは甚兵衛で、彼も同じ理由でここまで来たという。(つまり同じ山の中をグルグルしていた)
その後、蘭や一茶も同じ理由で集まり、腐れ縁かも?という流れで一緒に旅する事に。

蘭が合流する前に出会った女のアキ(蘭が非力なので一緒に野党から逃げてきた)とはお別れするしかない、という判断で渋々置いていく…
と思った時、アキから一つ提案が。
私と一緒に紅き谷を目指しませんか?あなた達も居場所がないんでしょう?と。
聞けば紅き谷では身分関係無く、戦いとは無縁の生活をしているという。
居場所を探していたサクラ達はアキと一緒に紅き谷へ行く事に。

一方藍座さんは鏡止水の元で人を切っていました。
部下も気に入らなかったら容赦なく殺してしまう、村に潜伏していた幕府の生き残りの残党を相手にしてて、相手が強かったので藍座に指示して戦わせていた。

一方サクラ達が客席上手から1列に歩いてきました、客演ですね。
旅をしているシーン、山々が見える街道をマッピングで見せながら舞台の端を歩いていきます。
そしてとうとう紅き谷に着きました。
人気が無いので辺りを調べていると1人の老人が、彼はこの紅き谷の長老をしているそうで、はぐれた者や事情があり路頭に迷った人を無条件に受け入れ、戦いと無縁の生活をしているとの事。そしてここに居るなら武器を預かりたいと言われて、不審感を捨てきれないサクラも仲間達と一緒に刀や槍を預けることに。

そこで村人達との交流のシーン、和やかな雰囲気、宴、ではなく祭りをしようとわいわいしてる。
甚兵衛さんアキが好きなのに女性が苦手だから触れてくるアキにうわああってなったり、不器用に会話したり(笑)
祭りを知らない&不審感を捨てきれてないサクラは1人ではぐれていると、アキが来ていい雰囲気?に。
それを察した一茶は2人で景色でも見てこいと促す。
アキが紅き谷には満開の桜があると聞いたことがあり、この枯れ枝はきっとそうだと。
が、サクラは桜を見たことがない、ならばこの桜の水やりをしてください、そしていつか満開の桜を一緒に見ましょう!そんなやりとりをしていると……

止水の顔が見たくないとの理由で兵士の代わりに紅き谷の視察にきた藍座さん登場!
人斬りとして活躍したお前がまさか女に腑抜けているとは…!かつての同士よ、みたいな会話。
藍座さんはどうやら零番隊を世の中に知らしめようとしたいらしく、サクラにも協力を求む。
もちろん戦いをしたくないので断ると、昔のお前を呼び戻すぞと言った感じに短刀を渡し、戦えと襲いかかってくる。
本調子じゃないサクラを近くにいたアキを襲い本気を出させようとして案の定誘いに乗ってしまう。

アキの悲鳴で駆けつけてくる一茶達が来る前に退場する藍座さん。
彼らには蛇が出て驚いただけとごまかしたが、一茶には感づかれているようで…?
そんな一茶も咳込む姿がちょくちょく見られる、これはフラグだね。

ここまでが前半かな…?
ここからはDVDで確認してほしい所(書くの疲れた笑)。

一見まとまっていそうでいくつか疑問点がサンドイッチのように挟まっているので、そこは気になるかな…
後先が読めてしまうのもね…


以下ピンポイント箇条書き

【良かった所】

*役者さんの演技から熱量(という表現で合っているかは不明)が伝わってくる

それぞれ与えられた役を全うしているし、役柄と人柄が合ってる。
一番ぐっと来たのは甚兵衛と一茶かな、人間味を感じる熱くて豪快キャラと冷静且つ皆の取り纏め役で信頼されるキャラ
わかりやすかったってのもあるんだろうけど、見ててくるものがあった。
長老も良かったんだよね、途中老人を感じさせない元気さと日替わりネタ担当でフフってなった。
(日替わりネタ①一茶が村人から集めた句で順位をつけたくても良作がない→私が考えて優勝すればいい!→一茶さん 見かけによらず 恐ろしい、みたいな五七五を言う
日替わりネタ②甚兵衛がアキに告白したら振り向いた先にはアキではなく長老が→「わしでいいのか?いや、禁断の愛はいかん」みたいな事言いながら退場)

陣内さんの鏡止水は、役所が狂っていて頭がまわる良くいそうな上官と言った所。
彼のお芝居を黒執事しか見た事がないので特徴とかは言い難いけど、しっかり演じてらして良かった。

そして玉城さん、殺陣素早くてキレッキレ!
苦悩してるサクラが見てる方にも伝わってきて苦しそう、でもどことなく愛らしくて皆がほっとけないって言うのも分かる気がする。
恋愛絡みの役所でもあるので、アキに出会う前と出会った後の素振りだったり表情を見比べるのは面白い所かもしれない。

*わかりやすい物語

ちょっとるろうに剣心っぽい、歴史わからなくても見れる作品

*OPとEDの演出
ロゴがどーんって出てきた時に、サクラが舞台に出てきて刀を振りかざすと映像のロゴも斬れる
ありがちだけどかっこよかった

*サクラが水を含んで吹き出す演出
これがサクラの心情の沸点みたいな感じで、初見は座席でびっくりしたけど人斬りサクラっぽい

*サクラの心情が明確にわかる演出
兵士にうなされてる様子がわかりやすい





辛口で申し訳ないけどここからはマイナスな感想






【疑問点】

*OPとEDの尺が長い
あの長さをどこかのシーンで使ってほしかったなぁと

*登場人物(メイン)の情報量が少ない
サクラはなぜそんなに苦悩してるのか、もちろん人斬りが理由なのはわかるんだけど、その言葉だけじゃ納得できなくて
一茶もサクラに惹かれているから一緒にいると言っていたが、そのきっかけは?
何より藍座さんがそこまでサクラ一人に固執する理由がわからない、4人も人斬り仲間がいるのにサクラだけとは何故
パンフレットにも相関図的なものは無かったので、次回作で語ってくれるのかしら…

*客演の必要性
上手から歩いてくるだけの客演、お客さんにも旅をしているような感覚にさせる?のが目的なのかな…
いらなかった気もする

*時代背景がわからない
今行ってるシーンが何年頃のシーンなのかってのが迷子

*アキが旅をしていた時期に疑問
これも時代背景わからずなんだけど、あんな戦闘が行われていた直後に山に近づく?
護身用の短刀すら持たずに一人歩くの危なくない?

*アキちゃんと呼ぶにはちょっと現代的過ぎるかなと…
ちゃん呼びされ始めたのは江戸とか明治時代からなので、時代設定ぶれるなと思った

*一茶の筆一本で倒したシーンが謎
あんな細くて短いものでどうやったら人がひっくり返るのか

*アキが自分の生い立ちとその心情を語る所
アキは何回も男に襲われて身体共に傷を負ったらしいが、そんなことをさらりと言えちゃうのかと
どのくらい経っているのかわからないので、急にサクラと良い雰囲気になってぽかーんとしてしまった

*アキが囚われてるシーン
逃げる努力もせずに素直に囚われて素直に斬られる姿勢に入ったからまたぽかーんとした
止水と藍座が話してる時逃げられるよね

*蘭はOPでめちゃくちゃ2刀流振ってたのに非力キャラ
力がないのはわかるんだけど、俺には爆薬しかないみたいな展開にびっくり、人斬り時代よく生き延びたねって思ってしまって…
そもそも爆弾担当なことを出したのって最後の戦闘シーンだけじゃない?私が気づかなかっただけかもしれないけど
そこで初めて気づいたよって言う(笑)

*終盤のサクラ&一茶VS藍座のシーンのあの時間は何
一茶が持病のせいで不意をとられてやられてしまう、そこからサクラが一茶に駆け寄る
この後一茶が残る力でサクラに話しかけるのだけれど、藍座さん上に登って行っちゃって、え、どこ行くの?戦闘中でしょ?
やるなら今だよ?えっ?ってなった。

*舞台セット
紅き谷の赤茶色のロック山脈みたいなやつ、幕末にはみえなかったかな…
エアーズロックみたいな印象

*サクラの台詞、もうちょい自然に言ってくれたらいいかなと
歌舞伎程じゃないけど、台詞が浮いてたように感じた


あとこれは衣装の話で、サクラは桜の花を知らないという設定なのですが
サクラの着物には桜の花の刺繍が…(笑)



あくまで零番隊ってのはフィクション。
あの動乱の中で零番隊が動いていたのだとしたら、なかなか胸が熱くなるものがある。
ただ、個人的にはそれだけの使い手を集めた集団だったとしたら土方さんを全力でサポートして殺させないで欲しかったかな…
こんなこと思う理由は、私が他作品の土方さんに影響されすぎてるのかもしれない(笑)

話の最中でサクラの幻影?で出てきた土方さん、もう既に死んでる風な口調だったし……こっちにこさせれば良かったか、みたいな
あれは表の戦闘に参加させればよかったってことなのかな

そういえば、零番隊の彼らの服装や趣味が新選組に似てるんですよね
一茶の俳句好きは土方さんもだし、サクラは沖田さんかな?刀に長けていてどことなくほっとけないような感じ。
藍座さんは山南さんかな…いや、伊東さん?()

エゴサしてたら結構評判良いので私個人の感想として受け取っていただけたらと。
新撰組好きだし、玉城さん目当てだったのですが、正直1回見たらおなかいっぱいで…
根本さんの作品第一弾としては良かったんじゃないかな、これを機に次回作でパワーアップしたものを期待したい。