今日のメニューは…
* CDお迎え
* シチュ作品の感想
≪シチュ作品感想の注意事項≫
ネタバレが困る、嫌いという方、こういうのに興味がない方はスキップすることをお勧めします。
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末日の折り込みは広告量が増えます。
1日付けで入れる広告が多いから、なんですけどね。
そんなわけで、なんちゃって宅配BOXでこちらを無事に受け取りました。
東京トランジット(佐和真中さん)
先生(土門熱さん)
Masquerade(皇帝さん)
この中で今、一番楽しみなのがMasqueradeです。
公式サイトに載っている深い物語に惹かれていたんですが、一週間前からの発売前カウントダウンSSがものすごく面白かったんです。
私は毎日Twitterで流してくれていたのを読んでましたが、公式サイトで全部読めるようになってます。
これを読むことで、『わたし』と『彼』の”心の立場”ってのが分かる。
『彼』がどういう人物なのかっていうことも分かる。
CDで描かれる物語へ向かって、どんどん集約していく感じがわくわく感を駆り立てる。
今回のは三部作の一作目、二作目は4月26日発売でキャストは河村眞人さん。
(楽しみすぎる)
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復讐お兄ちゃん
CV:菓子宮さん
サークル:トラウマバーゲンさんの初作品で、ダウンロード販売です。
キャストの菓子宮さんも初めましての方。
私がいつもダウンロードしているのは”がるまに”さんなんですが、1日に1つも新作がない日もあれば、8個くらい新作が出る日もあります。
朝のルーチンの中に”がるまにさん新作チェック”がありまして(笑)、新作が出たり、発売予告が出たりすると、一応どんなお話なのかって覗いてみてます。
そんな感じで、目にしたのが『復讐お兄ちゃん』。
作品説明に何やらいろいろと注意書きがありまして。
そこで、『どんな感じ?』と、試聴してみました。
聞いた感じ…
たぶん、私は大丈夫…
そう思いながらも、ポチろうか止めようか…と悩みながら。
試聴を全て聞き終わったところで、ポチろうと決めました。
決め手は、トラウマを扱っているだけあって、心をかき乱す”何か”を感じたこと。
そして、菓子宮さんの声と演技。
何かが引っかかって、そのまま素通りできない感じがする。
この場合の”引っかかり”というのは良い意味で。
この作品の『わたし』と『お兄ちゃん』は実の兄妹です。
わたしと兄は母に虐待されていた。
小さな頃から、ずっと。
どんなに泣いても、誰も助けてくれない。
わたしを守ってくれたのはお兄ちゃんだけ。
成長しても母の虐待は変わらない。
わたしは、逃げた。
母の元から…。
お兄ちゃんにも何も告げずに……逃げた。
全てをお兄ちゃんに押しつけて…。
あれから何年経っただろう。
知らない番号から電話があった。
『母さんが死んだ。葬式やるから帰ってこい』
葬儀が終わり、久しぶりの実家で、お茶を飲みながら兄と話をする。
『母さんが死んで、どう思った?何を感じた?』
なんて答えて良いか分からずに、質問で返した。
「お兄ちゃんはどう思ったの?」
兄の声は疲れ切ったような、ホッとしたような、実感がないような…
複雑にいろいろな思いが絡まって、絡まりすぎて、かえって『無』になってしまっているような感じがする。
その『無』の状態のまま、兄の怒りが爆発する。
わたしが兄に母を押しつけて家を出て行ったこと。
しかも、兄に黙って出て行ったこと。
『俺はオマエを許してない』
『わたし』はクスリを盛られ意識を失っている間に、幼い頃、母から逃げていた物置の中に監禁されます。
刃物で脅され、逃げられないように裸にさせられ閉じこめられる。
注意事項は主にこの監禁された辺りから。
『わたし』は兄に恨まれていて復讐の対象になっているので、罵倒されたり殴られたりします。
音量注意というのもあったんですが、いきなり大声で怒鳴りだすシーンが多々あります。
私はいつもの音量のまま聞いていたんだけど、耳がキーンってこともなく大丈夫でした。
なので、この音量注意というのは、実際の音量というよりも静かな口調と怒鳴り声とのコントラストというか、ギャップの強さというか、そういうものへの注意という感じかな。
私は大声で怒鳴られるということは苦手。
ですが、これは大丈夫でした。
どうしてだろう?と考えてみたんだけど…
たぶん、罵倒してくる兄の『心』が関係してると思われます。
怒鳴られ、殴られ、首を絞められ、レイプされる。
謝ったら余計に怒らせる。
普通なら恐怖を感じそうなものだけど、私が感じたのは絶望。
この絶望は、兄にこんなことをされて…というものとは違う。
兄の心がここまで壊れてしまっているんだという絶望。
壊れてしまった原因の一つには自分が関わっているという現実。
そんな兄の心を癒やしたいと思っても、どうすれば良いのか分からない。
慰めを口にしても、謝ってみても、もう遅いという絶望。
自分の力ではどうにもできない絶望。
この計り知れないほど大きな絶望感で苦しくなる。
聞きながら、私はお兄ちゃんを抱きしめてました。
少しでも癒やされることを願って。
(もちろん、リスナーの私がそんなことしたって物語に影響しないけど)
この作品。
実は水責めのシーンもあります。
お風呂なんですけどね。
私が極度の水恐怖症だと知っている方は心配するだろうってくらいのものでした。
これね、ダミヘちゃんだったらアウトだったな。
音の作り込みにも救われました。(苦笑)
水に沈められている時に聞こえる兄の声が”水にくぐもった”音になっていたら…アウトだった。
自分を押さえつけていた母の死。
自分を裏切って出て行った妹との再会。
自由に何かをできるってことがなかったから。
押さえがなくなった今、自分を持てあましていたんでしょう。
自分の思いもどう表現すれば良いのか分からない。
これから先、どう生きていけば良いのかも分からない。
『俺は、寂しかっただけなのかな』
兄が発したこの言葉に全てが集約されてる。
兄の狂気が揺らいだ時。
兄はわたしに『出て行け。逃げろ』と言う。
わたしは家を出る。
私もそれが良いと思う。
精神が危うくなっている兄を一人残すことは心配だけど。
だからといって、一緒にいても改善されるわけではないから。
むしろ、取り返しのつかない事態にならないとも限らない。
おまけトラックがありました。
わたしは家を出た…のではなく、物置の中で膝を抱えている。
『ここにいたのか』
”共依存でダメになりたい方"用ということでしたが。
トラック名が『幻想』なんです。
これ、狂気に落ちた兄の幻想なのでは…と感じました。
さて、この作品、18禁なのでもちろんエッチシーンもあります。
が、1時間超えのお話の中、ほんの少しです。
エロティックではないです。
このエッチシーンすら復讐の手段ですから。
ただね…
暴力といえる行為なのに、縋り付いて助けられたいという『兄』の気持ちを感じたんですよね。
犯しているのは兄なのに。
救われたいという気持ちというか…。
(蜘蛛の糸に縋り付いて助かりたいという…あんな感じかな)
ほんの一瞬の快楽で兄が救われるのなら…
そんな歪んだ思いが私の心に浮かんだところで…気持ちよくなりました。(笑)////
私にはこの作品にあるようなトラウマはないから、ある意味冷静に聞けているんだと思います。
注意書きにあったように、自分のトラウマに抵触するようなら聞かない方が良いでしょうね。
最後に声のお話。
冒頭で引っかかる声と書きました。
ここまで読んできたら、なんとなく感覚で分かってもらえるかな?と思うんだけど。
何重にも膜があるんです。(また意味不明な説明ですがついてきてね)
膜の中心には、寂しいとか愛されたいという凍えた気持ちがある。
その外側にそれが満たされていないという憤りや怒りといった気持ち。
さらに外側にはそれらを押し殺す固い気持ち。
この固い気持ちが彼の『心の声』を完全に隠している。
完全に隠されているから、周りから見ると、『無』に感じる。
この”奥に何かがあるのを感じるのに、聞こえてくる声は『無』”というところが、私の心に引っかかったということです。
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