3連休初日の今日。
お正月ぶりに息子が帰宅。

久しぶりに一緒に夜のてくてく集金とお買い物をしてきました。
なんとなくぺちゃくちゃとお喋りしてて、あっという間に時間が過ぎてく。(笑)

というわけで、感想の方に。




カレと床入りするCD
黒吉原メランコリア 第壱夜 亞雲ヒバリ

ボイスは鳥海浩輔さん。

ではでは、いつものように、ネタばれは嫌いなのって人や
こういうのって興味ないんだよねって人は
このまま回れ右してお帰りくださいね。

























まず・・・

これは鳥海さんノッてましたねぇ。(ふふ)

キャストトークでも、とても楽しい収録だったと話していたし、作品中の声の様子でもそんな感じがガンガン伝わってきました。

聞いている私の方も、『これは面白い!』

物語の中へどっぷり引き摺りこまれました。



さて、いろいろなシチュCDの題材として、数多くの作品があの手この手で使っている舞台の一つに『遊郭』があります。
これはホントにいろいろと発売されていて、その中のいくつかは持っていたりもするのですが・・・・。
個人的にはこの『遊郭』という設定自体は好きじゃない。
辛い世界が根底にあるから。
シチュCDというファンタジーの世界ですから、当然『遊郭』にも夢を持たせているけれど・・・・でも、遊郭ですから。
いくら女性だけじゃなく、男バージョンの作品もあるよといっても、そういうものじゃないですからね。
昔は合法で、今は違法で、消えることなく姿かたちを変えて続いている。


この作品の舞台は、明治の遊郭。
『わたし』は育ての父に売られました。
わたしは幼い頃に浜辺に倒れていたところを発見されて、『八百比丘尼(はっぴゃくびくに)の血を引く人魚』と噂されていた。
育ての父は、わたしのことを思って引き取ったのではない。
わたしの顔を見て、『将来金になる』と思ったから引き取り育てた。
そして、とうとう・・・・今日。
わたしはこの綺羅楼に売られたというわけです。

その『わたし』に目をつけたのが、今作のお相手である亞雲ヒバリ。


人魚の流す涙には不老不死の力がある、という噂を聞きつけた華族たちが『あなた』を奪い合う『黒吉原ゲエム』を開催することに。
このゲエムの主催者は『亞雲ヒバリ』。
ヒバリは綺羅楼の男花魁でもある。
馴染みの客の相手をすることもあるが、客たちの興味を引くようなゲエムを考え主催するのも仕事。

この人魚の噂が真実だとしても、嘘だったとしても、そんなことはどうでもいい。
本来は6人の客を招待するゲエムのところ、客を5人に減らしても『主催者』がゲエムに参加する。
これが、客たちに火をつける。

『あの噂は真実なのかもしれない』
『どうしても手に入れたい』



そして、第一巻目である今作は、主催者であり全てを仕組んだヒバリのストーリー。

現在と過去の話が交互に出てくる面白い作りになってます。

ヒバリが『わたし』に語りかけ、その話しの中で過去のことを思い出して・・・・というもの。
この辺りの作りが本当に面白い。
語りかけの中で自然に過去の話へ進み、現在に戻るのもすごく自然。
『ぴろりーん』みたいな音で分けることもなく、ごくごく自然に過去と現在を行き来する。



このままヒバリの言う通りにゲエムの駒として生きたなら。。。
この場合、うまくすると参加者の華族の誰かに身請けしてもらい、自由の身になれる。

そう言われても、わたしはここに売られてきたことは本意ではないのだから。
今すぐにでも逃げ出したい。
いや、逃げ出してやる。

もちろん、簡単に逃げ出せるわけも無く・・・・
連れ戻されたわたしは、このゲエムの駒となって、自らの意思で『自分の未来』を掴み取る決心をした。


わたしは『花魁』になるべく、ヒバリからさまざまな作法を教えられることになる。
なにせわたしは海の近くの田舎育ちだから。
小さいころからしてきたことといえば、漁網の繕いなどばかり。

花の活け方、食事のマナー、覚えなくてはいけないことは山ほどある。

ヒバリと一緒にいるうちに、わたしの心には変化が出てきた。

・・・・わたしは、この人のことが好きなのかもしれない。



ヒバリの方にも変化が出てくる。
『あいつ』のことはただの駒だと思っていたはずなのに。
どうしても気になってしまう。
あの噂のことも調べている。
自分の心に芽生えた、この思いに戸惑いを感じる。

本当なら、自分の参加は客の意欲を煽るためのもの。
それなのに、他の誰にも『あいつ』を触らせたくないと思ってしまう。




一緒に行こうと言われていたビフテキ屋。
ところが、わたしと一緒に行くことになったのは、この黒吉原ゲエムに参加していた海軍の将校。

なかなか戻らない『わたし』を気にして、迎えに出てくれる。
様子はどうだった?と訊かれ。

『この分なら、床入れのことも教えておかないとな』


この綺羅楼では床入りの前に杯を酌み交わすのだとか。
わたしにしてみれば初めてのお酒。
ヒバリは甘酒を用意してくれていた。

本当はヒバリもお酒に弱くて、火にかけてしっかりアルコールを飛ばすように言いつけてあったのに・・・・
どうやらアルコールは飛んでないようで。(苦笑)
ヒバリは2杯口にしたところで・・・・酔ってしまったみたい。

そして、酔いに任せて・・・・酔ったせいにして・・・・・キス。



わたしはどうすればいいんだろう。
自分の気持ち、分かってしまった。
わたしは彼のことが好き。


そんなある日のこと。
1人湯屋からの帰り道。
ヒバリが途中まで迎えに来てくれた。
そこへ、不審者が!
どうやら、人魚の涙の噂を聞きつけ、奪おうということらしい。

ヒバリはわたしを逃がし・・・・

『早く逃げろ。用心棒に知らせろ!』

わたしが綺羅楼の用心棒を呼びに戻っている間に、ヒバリはこの不審者たちに斬られてしまっていた。
そりゃね、もう時代は明治。
帯刀は許可されていない。
それに、何よりヒバリは武士ではなくて男花魁だから。

不審者たちは用心棒が取り押さえた。
急いでヒバリの元へ駆け寄ると・・・・かなりの深手を負っている。

『どうして戻ってきた』

もう、息も絶え絶えの中、自分の本当の気持ちを告げてくれる。

これを聞きながら、『私』もうるうるしてましたが、作中の『わたし』は本格的に泣きだしてる。

『酔った勢いなんかじゃなく、もう一度口付けておくんだった・・・』

そっと寄せる唇。
わたしの頬から伝った涙は・・・・唇から彼の口へ。。。。


ヒバリが目覚めると・・・

『ここは・・・・オレの部屋?』

身体にあるはずの傷が・・・ない。

『オレはどのくらい寝てた?1ヶ月か?2ヶ月か?』

「・・・・・」

『どうして何も言わない?』

「・・・・」

『まさか、話さないんじゃなくて・・・・話せないのか?』


≪人魚の涙を与えると、人魚はその声を失ってしまう≫

そういう言い伝え。


ヒバリにしてもゲエムの主催をするような立場ではあるけれど、男花魁の身という事実がある。
わたし同様、足抜けはできない。
このままではオマエを幸せになんてできない。

『どうしてオレなんかのために・・・』

『もうオマエ以外を抱くことなんてできない』


わたしだって、これから先、どうなるか分からなくたって、この人以外の人に身を任せることはできない。
わたしが好きなのはこの人だから。
どんなことになったとしても、この人を助けたい。
この人と、共に生きていきたい。



ヒバリは今まで貯めたお金を置いて2人でこっそりと抜け出した。
もちろん、当座に必要なお金は持ってるけど。(笑)
おつりがくるくらいたっぷりと置いてきたけど、追手がかかってると思われる。
一ヶ所に長居はせずに、興味のあるところを転々と動き回る生活をしている。

『次はどこへ行こうか。海の近くってのもいいな』


わたしは声を失ってしまったけれど、愛する人を手に入れた。
いつまで追われる身なのか分からないけど、彼と一緒なら怖くはない。
それに、綺羅楼でもやり手だっただけあって、資金が減ってくるとちゃんとお金を稼ぐ才覚を持ってる。


一ヶ所で落ち着いた生活はできないかもしれないけれど、気の赴くまま気に入った土地を渡り歩くという生活も悪くない、よね。






今回はいわば『遊郭側』からの視点の物語。
次回からはゲエムの参加者視点になるわけですね。
どんな風な展開になっていくのかってのが凄く楽しみ。
それに、こういうちょっと裏話的なものをシリーズの初回に持ってくるっていうのも斬新かな。
こういうものはシリーズのラストに持ってきそうな感じだから。



さて、今夜は夜伽HoLiC。
明日の感想もお楽しみに~







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