対外的なお正月休みは今日まで。

だけど、1日早く内的な仕事をスタートさせました。(午後から)

まずは、1月の教室日程&新年のあいさつのメール送信。
いつもは月末なのだけど、毎年1月はお正月休みが終わるころにお知らせメール出してます。

カナトイメージのアクセサリーはちょっと横に置いておいて、先に干支のチャームから。
1月前半に作っておかないと、見本がないと生徒さん困っちゃう。

折り込みの同僚たちもコレ楽しみにしてくれてて、見本を持っていくと、『作って~』ってな感じで注文が入ります。
「同僚特価」ってことで、格安で。


そんなビーズの仕事を始める前に、第二の魔窟の片付け。
1時間40分ほどかけて・・・・・ものすごくスッキリした♪

年末って忙しくて片付けって、なかなかできない。
年明けて、お正月気分が抜けてきたころに『新年の片付け』するのって、けっこう良いかも。
これなら、年末年始で休みになるゴミ収集の開始直前になるから、部屋の中にゴミ袋が置かさったまま新年を迎えることもないし。
(うちは火曜だから、1日置きっ放しになるけど)

そして、配置替えのおかげで、家の中の動線が大きく変わりました。
これは気の流れも相当変わったに違いない。



ということで、今日はこちらの感想を。



明治吸血奇譚「月夜叉」師走の巻 冲方操

ボイスは立花慎之介さん。

ではでは、いつものように、ネタばれは困るのって人や
こういうのって興味ないんだよねって人は
このまま回れ右してお帰りくださいね。

























今回、スタートから焦ってしまいました。

いつものように、部屋の電気を消して(完全に消す派です)、ヘッドホンを装着。
枕元PCくんの準備もできてる。
ファイルを選んで・・・・スタート。
布団を被って体勢を整え・・・・・・

ちょっちょっちょっ!!
まだ体勢整えてる最中なのに、吸血が始まってますけど!
ちょーーっと待って!
まだ意識が『耳』に集中できてない。(爆)

こんな風に私も焦りましたが、作中のわたしも焦ってます。

そう、わたしは眠っていたから。

『待ちきれなくて』
と、悪びれもせずに遠慮なく吸い続ける。


操は、何て言うのかな。
掴みどころが無いというか。。。

優しいんだか、怖いんだか。
投げやりなのか、そうじゃないのか。
何だかよく分からない。

『逃げてもイイよ』

しかも、街まで送ってくれるって言う。

『着替えてくるから、ちょっと待ってて』

再び現れた彼は警察官の服装になってる。
街への道を歩きながら・・・

『元警官だから、これは本物だよ』

行方不明者が続出している街では、警官の恰好をしている方が無条件に受け入れられるから都合がいいのだ、と。

都合がいいってどういうことだろう、と思っていたら、とんでもないことを話し始めた。

普通の人間の何百人分というパワーを持つ卑弥呼の血を引いた『わたし』。
そのわたしが館からいなくなるとしたら、今まで通り街の人を攫い、吸い殺し、山に捨てるということをしなくてはいけない。

『元に戻るだけだから、逃げてもいいんだよ』

そんな話を聞かされたら・・・・・
わたしが逃げることで、この先何人も・・・いや何十人、何百人という人が殺される。
わたしのことは吸い殺さないというのだから、わたしが我慢をすれば・・・・・・

「やっぱり、館へ戻ります」



そんなある日、彼が警官の恰好をして出かけるところに出くわした。
ちょっと街までタバコを買いに行くのだという。

(わたしも久しぶりに街で買い物とかしたいな)

『街へ着いたら別行動だよ』

待ち合わせの場所になかなか現れない。
すっかり夜になったころ、ようやく姿を見せた。

彼は嘘をついていた。

わたしが館にいれば、街の人は襲わないと言っていたのに。
今も以前と変わらぬ頻度で行方不明者が出ているのだと、街の人に聞いた。



人間への憧れ、そして憎悪。

夜叉として生まれ、人間になりたくて、人間と同じように生きたくて。
警官になり、努力して鉄砲隊に入り、腕を磨き、武勲をあげてきた。
吸血衝動は、倒した敵の血を啜ることで満たしてきた。
撃ち殺されているのか、吸い殺されているのか、見分けなんかつかないから。

順調に人間の中に溶け込んでいたというのに。

何の因果なのか。

不死のはずの夜叉がかかる死病を発症してしまう。

最初はけだるさから。
次第に全身が痛み、血を吐くほどに。

薬は無い。
治ることも無い。

卑弥呼の血筋の血なら・・・・という期待も空しく。。。。


ある朝のこと、普段と違って妙に優しい気をバンバン出している。
いつもとのあまりの違いに不気味さを感じる。

『これじゃ、ダメか』

今度は強引に迫られる。
壁際に追い詰められ、壁ドン。(笑)
『わたし』は分かりませんが、『私』は思いっきりドキマギ。(笑)


ここで種明かし。
前夜、わたしが口にした『人』という言葉。
彼のことを『夜叉』ではなく『人』と言った。

彼の望みは、自分が死ぬときに、自分のことを愛してくれる人がいてほしいということ。
彼の命があとどのくらいなのかは分からない。
けれど、彼の昔語りを聞き、彼の思いを知り、
『彼の役に立ちたい』と思った。

「わたし」も「私」も。

今は、彼のことを好きなのかどうか、分からない。
けれど、気になる存在であることは確か。
・・・だから。


発作の回数は徐々に増えてきてるみたい。
思うようにならない自分の体調、そして、わたしの気持ち。

『同情から始めたのは間違いだった』

確かにそうかもしれない。
けれど、自暴自棄になっている彼を見ていられない。
何とかしてあげたい。
自分にできることなら、どんなことでも・・・・

こんな気持ち、ただの同情だけで生まれるもの?

彼に血を吸われ、涙がこぼれる。

このまま、命を失ったとしても、後悔しない、と思った。

『オレもすぐ後を追うから…』

彼に与えられる甘美な死。
そして、彼が望んでいた愛する人と共に死ぬということ。
生きるときも死ぬときも、一緒に。
一緒に生きた時間はとても短いものだったけれど。

流れた涙は、とても不思議な涙だった。

死ぬのが悲しいのではない。
苦しいのでもない。
嬉しいのともちょっと違う。

本当の意味で一つになれたのだ、という充足感とでも言えばいいのかな。
心が、想いが重なった幸福感なのかな。

そんな風な、『ある種』の感動に包まれて流れた涙だった。


結局、ギリギリのところで、わたしを殺すのを思い留まり、もう少し生きようとしてくれる。

死の病といっても夜叉だから。
体調が悪くても、悪いなりにまだまだ生きそう。

わたしが死ぬのが先か、彼が死ぬのが先か。

結構、いい勝負になるんじゃないかな、なんてね。




ところどころ、あやとりのシーンが出てきます。
実は、『私』はあやとりが苦手。(苦笑)

『死ぬほどつまらない』

って言いながらも、付き合ってくれるんだから、やっぱり優しいよね。

絡まって切れてしまった糸。

『絡まってるだけで、小指には繋がっていない運命の糸』

心臓がギュってなりました。
操の辛そうな声と『私』の気持ちが重なって・・・・。






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