今日、生徒さんと話していたのだけど、セミって暑過ぎると鳴かないんですって。
確かに…鳴いてないわ。

そんな今日、予想最高気温は35度超えだったのだけど、実際には薄曇りになったおかげで33.1度。
それでも、室温は31.5度まで上昇。
あ、もちろん、教室の最中はエアコン27度設定プラス扇風機ですよ。

薄暗くなってきてから、急にセミさん鳴き始めました。
そうか、だから夜でもセミの声がするのね。


ということで、今日はこちらの感想。



LIP ON MY PRINCE VOL.4 ハル ~あらぶる大地のKISS~

ボイスは鳥海浩輔さん。

ではでは、いつものように、ネタばれは嫌だなって人や
こういうのって興味ないんだよねって人は
このまま回れ右してお帰りくださいね。
























今回、ちょっぴりホロリと涙しました。


さて、作品はハル目線で語られているので、感想は『わたし』目線で語ってみましょう。

今までの3作品同様、物語のスタートは現在。
わたしとの出会いから思いを告げるまでがハルの回想となります。
ただ、今までと違うのは、この回想って『現時点』での回想じゃないってこと。
だってね、物語のスタートはハルが出場するバスケの試合会場で、ここで回想してたら・・・

『あんた、試合中になにやってんの!!』

ってことになっちゃう。(笑)


さて、このスタートのバスケの試合。
ハルのセリフに『先輩たち』というものがあり・・・

『ん?ハルって高校3年じゃなかったっけ?先輩って???』

話は単純で、出会ってから随分日にちが経ってました。
わたしとハルとの出会いは、彼が高校3年。
最後の試合と言っているので夏休み前かな。


出会いの日まで遡ってみましょう。

わたしは友達と一緒にハルがバイトをしてるというカフェへ。
どうやら、ここはパンケーキが美味しいみたいなのだけど、今日の目的は別。
わたしの、友達の友達が、この『ハル』って人に遊ばれて泣かされたなんてことを聞いて、
『どんなヤツなのか、見に行ってみよう』
って話に乗ってしまった。

迂闊なことにわたしたちは『ハル』の顔を知らない。
カフェに入ったはいいけど、どの人だか分からないし、だいたい、今日いるのかどうかすら分からない。
とりあえず、飲み物を注文して・・・
わたしはジンジャーエール。(これ私も好き♪)
よっぽどキョロキョロしてたんだろうな。
持って来てくれた人が『どうしたの?』なんて感じで尋ねてくれた。

『柳瀬ハルってどの人?』
「そいつがなんかした?」

事情を説明して・・・
いや、でもさ、気がつこうよ、わたし。
カフェの店員なんて、何十人もいるわけじゃないんだから、顔を知らなくたってバスケやってるんだから背が高いだろうとか、プレイボーイだけど王子様的な言われ方してる人だとかっていう基礎知識くらいあるでしょう。
だったら、今、目の前にいる人が『本人かもしれない』って頭を働かそうよ。

いきなり、見ず知らずの人に、しかも友達の友達だなんて、接点あるんだか無いんだかっていうような人に文句言われて、ダメ男扱いされたら、それは誰でもカチンとくるでしょう。

こんな感じで出会いは最悪。

もう会うことはないだろうな、って思っていたのに、校門を出たらいきなり現れた。
しかも、わたしのことを待っていたんだって。

唐突にバスケの試合に来てほしいと言われ、『人質』とばかりにわたしのヘアピンを攫って行った。(物質だけどね)

わたしのハルに対する気持ちが変わったのは、この試合を見てから。

高校最後のインターハイの予選の予選みたいな試合。
対戦相手はインターハイ常連の強豪校。
結果は…惨敗。

噂に聞いていた『プレイボーイ』だの『チャラい』だのっていうイメージがガラガラと崩れる。
彼は本当に真摯にバスケと向き合っていた。
惨敗でカッコいいところは見れなかったけれど、彼の『本気の気持ち』が伝わってくる試合だった。
試合の後、1人でいる彼を見つけ、『メロンソーダ』の差し入れ。

『普通、スポーツ後の差し入れってスポーツドリンクじゃん?』

確かに(笑)
つい、自分の好きなものを選んじゃったんだけど、彼に『とってもカッコ良かったよ』って伝えたかったんだ。


これが切っ掛けになって、わたしは彼がバイトしているカフェに通うようになる。
いつも注文するものは、ジンジャーエールと『ハルちゃんセレクト』で出してもらったシンプルなプレーンパンケーキ。

わたしのことをからかってくるし、一見チャラく見えるけれど、実際はそうじゃないってことがわかってくるに従って、わたしの気持ちはどんどん『好き』に傾いていく。

だから分かる。
好きだから分かる。
彼が『何か』に悩んでいること。

でも分からない。
好きだから分からない。
あなたがわたしを構ってくれているのは…好いてくれているから…なの?

そんなある日。
カフェへ向かう途中でハルが電話しているところに遭遇した。
聞くともなしに聞こえてきてしまった話の内容。


相手は…誰?
心がぎゅっと握り潰されるように痛い。
頭がぐらんぐらんする。
とても真面目な真摯な物言い。
電話の相手は、ハルにとって、とてもとても大切な人なのだと感じた。
わたし相手の時と全然違う。
相手は…誰?
これじゃ、まるで・・・まるで・・・・・・・愛の告白。。。
苦しい、苦しい。
悲しさと嫉妬で押し潰されそう。

ハルの気持ちを知っている聞き手である『私』は、これが『わたし』の早合点だと分かっている。
けれど、苦しい。
胸が苦しくて、上手く息が吸えない。
『早く早く誤解を解いて!』
と、1人ジタバタ。


ハルのバイトが終わるのを待つ。
彼が言った『何を誤解してるのか知らないけど』という言葉に縋る。
でも、良いように思い込んで・・・もし違ったら?
不安、期待、また不安に飲みこまれる。
あぁ、心がバラバラになってしまいそう。

ハルの方も、不安だったみたい。
わたしがちゃんと待っているか、どうか。

明かされる真実。
さっきの電話の相手は、とある大学のバスケ部の監督。
あの惨敗した試合を見に来ていて、スポーツ推薦で入らないかという誘いがあったのを、ようやく受ける決心をした返事の電話だった。


時は巡り、春が来て彼は大学生になった。
そして、冒頭の試合。
どうやら『ジンクス』のようになってしまった『メロンソーダ』。
試合会場の自販機には無いということで、わたしが他で買ってきた。

もう不安はない。
彼が全力で好きなバスケと同じくらい、いや、それ以上に好きだと言ってくれるから。
全身で好きだと伝えてくれるから。





今作、私の寝かせ屋さんの1人である鳥海さんということで、ちゃんと1回で聞き終えるだろうかって不安なところはあったのですが、大丈夫でした。
あっという間の約60分。

サブタイトルにある~あらぶる大地のKISS~だけど、そんなことない。
熱はこもってるけど優しいキスでした。


ただね~、自分的にちょっと・・・・・・・・って部分が。。。

ハルがモテるのは知ってる。
付き合ったのもわたしが初めてじゃないって知ってる。
当然、ファーストキスじゃないってことも充分に分かってる。
だけど・・・
過去の話は聞きたくない。
彼の唇に触れた人がいる、という事実はどうしようもない。
だからこそ、過去は過去のこととしてしまいたいのに、話した時点で『今』に『過去』が出現してしまう。

『今』に『過去』を蘇らせないで。
わたしとあなたの間に『その人』が立ちはだかるような気がしてしまうから。







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