こんにちはニコ

 

 

最近、子どもたちの不調が多く

対応方法に悩みます。。。

 

 

 

今回は支援学校への登校送迎をしているAちゃん。

 

ここ最近、調子微妙で吸引回数が多くて

家を出るときにお母さんがもちろん吸引してくれてるんですが

乗り込みの時点ですでにゴロゴロ。

 

吸引して出発できるか確認。

 

デイの時は状態が多少悪くても

デイの中でも経過を観れるし、対応もできるけど、

登校送迎は学校にそのまま引き継ぐので経過が観れないし

学校が観れる状況がどれぐらいっていうラインもわかってる。

 

だからこそ登校送迎の時は

本当に学校に行ける状態かを見極めた上で出発します。

 

 

昨年度は2回ほど乗り込んだものの登校を断念したこともあるし、

2回ほど学校行く途中で引き返したこともあります。

 

お迎えに行って待ってても

直前で調子悪くて行けませんってなったことも数回。

 

それだけ短時間でディサチュレーションイベントが起こる子です。

 

最近は酸素も使えるようになったので、

対処できることが増えたけど何をチョイスするかが重要になってきます。

 

 

状態が良くなればどのアプローチも正解ではあるので

何がベストかが悩ましいところです。

 

 

私は大体ABCで評価して

まずはAirwayが通っているかで吸引をします。

気道がクリアになれば次はBreathing。

呼吸してなかったらもちろんアンビューですが

そんな事態であれば救急搬送です。

1回呼吸停止で救急要請とドクターカーの出動があります。

 

呼吸停止以外でも有効な換気ができていなかったら

とりあえずアンビューで換気をしてみます。

換気とは空気の出入りのことなので

めちゃくちゃ浅い呼吸の頻呼吸とか、

強すぎる努力呼吸の時はバギングでアシストします。

 

私は必要ない時にまで酸素を使うのは好きではないので

まずはアンビューを使うことが多いかな。

 

 

「とりあえず酸素」って酸素使う人が多いんですが

酸素使ったら見かけはSpO2上昇するので

良くなったように見えるんですが、

本人の体感的には苦しいので、本人の感覚と数値が合わないんです。

 

病院にいたときに実際の体験を毎年1年生がするっていう研修があったのですが

SpO2をモニタリングしながら限界まで息を止めて、その後息を吸う

というのをroom airと酸素マスクを着けた状態でするんですが

酸素をつけていると下がり幅ももちろん少ないし回復も早いんですが

数値のわりに本人の呼吸困難感は強いんです。

 

まぁ、だからなんでもかんでも酸素使うなよっていう意味の研修なんですが。。。

 

そういうことも踏まえつつ、酸素も使いようによっては毒にもなるし。

 

なので、短時間で解決できそうな換気の問題の時は

アンビューを使います。

 

 

それでもSpO2が上がらなければ酸素を使います。

 

純粋に低酸素になって体に酸素が足りない時もあれば

肺そのものに問題がある可能性があるのでそういう時は

早めに受診を勧めます。

 

もしくは換気の問題でも低酸素の状態が長く続きそうなとき、

例えば睡眠時で呼吸が浅い時などは起こすのもかわいそうだし

ずっとアンビューもできないし、それするだけで起きそうだし、

そういう時は酸素を使います。

 

後は吸引が多くて低酸素になるリスクが高い時は

前もって酸素を準備しておくこともあります。

 

 

そんな感じで原因に合わせてアプローチを変えているんですが

正直、アンビューでも酸素でもSpO2は上昇するので

本当にこの方法でよかったかなと毎回考えてしまいます。

 

もちろん、今の状況をアセスメントして判断したうえでの

アプローチなんですが、

そもそもアセスメント合ってるかな?と思ってしまいます。

 

 

今回も痰が上がってきててすでにSpO2は85%。

そこから吸引するのでさらに低酸素。

本人はしんどいので努力呼吸も著明で

半分意識も遠のきそうなぐらい。

脈も160台で循環も破綻一歩前。

 

吸引後にSpO2はいったん落ちて90%までは上がってきたけど

そこからが上がらないし努力呼吸が著明。

 

アンビューでバギングしたら努力呼吸はすぐに改善して

笑顔が出てくるようになって脈も落ち着いて、

少ししてSpO2も上がってきました。

 

時間にして1~2分の対応ですが

何もしないとおそらく回復までに4~5分はかかると思います。

 

吸引ダメージだけだったら酸素を使うと回復が早いので

酸素の方がよかったのかなーとかも思うけど、

努力呼吸が強すぎたのでそもそもの換気のサポートが必要だし。

アンビューに酸素繋げたら良いんだろうけど

そんなんしてる間にバギングできるし。

 

ま、SpO2上がって状態が落ち着けばいいんですけどね。

 

もともとのベースが下がってきてるので予備力が狭い分

イベントがあったときに一気に下がって回復に時間がかかっちゃうのは

今の状況なのでどうしようもなく。。。

 

人工呼吸器の話も出てるので呼吸器がつけば少しは状況が変わるのかもしれませんが。

 

 

家ではお母さんはアンビューも酸素も使わないので

SpO2が上がらなくて、「学校に行けない」になっているみたいです。

お母さんはいつものことなのでと数値が低くても見守る方針のようです。

常時の対応方法を難しくして受け入れ困難になることを避けたい意味もあるみたいです。

 

かといってお母さん以外の人が「その状態を見守るだけ」も難しいこともわかっています。

 

学校ではSpO2は85%以上キープっていう医師の指示があるので、

下がるとお迎えか、搬送かになってしまいます。

 

 

なので学校のすべてのナースにこの状態をアセスメントして

対応を求めると難しいので、

学校的にも休んでくださいってなるよね。

 

少なくても一部のナースは呼吸のメカニズムや

どういうことが起こってるから、それに必要な対応を考えることを

している人たちだったのでその人たちならできるけど、

半数以上のそうじゃない人に当たれば「対応無理」とか

「とりあえず酸素」で数十分も酸素つけっぱなし状態になるんだろうなと

予想はできます。

 

 

Aちゃんだけじゃないけど、今何が起こっているのかの

状態の把握、アセスメント、アプローチ、そして振り返りとアセスメントの修正で

もう一度同じことやよく似たことが起こった時の対応を考えたり、

事前にできる対策があれば考えたり。。。

いわばPDCAサイクルですが、エンドレスだなと思います。

 

病院にいても、在宅の場面でも「看護」をしている限り

考え続けないとなと思いました。