ウォーキング 6 | 常勝の空ブログ

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ダイエット効果も抜群!ノルディック・ウォーキングのススメ


 本項は、最近注目されつつあるノルディック・ウォーキングを特に取り上げ、解説しました。ノルディック・ウォーキングは通常のウォーキングと比べても数倍のダイエットを含む健康効果が期待出来ると言われます。

ノルディック・ウォーキングとは?

 

 ノルディック・ウォーキングはクロスカントリースキーの選手が夏の間の体力維持&強化用のトレーニングとして行なっていたもので、北欧ではスキー・ウォーキングとかポール・ウォーキング、フィットネス・ウォーキングとも呼ばれています。なお、ノルディック・ウォーキングは正式にはディメンチア・ウォーキング(物忘れウォーキング)と呼ばれ、クロスカントリースキーの競技会でスキー板を忘れた選手がストックだけでウォーキングしたことが始まりだとも言われています。

 ノルディック・ウォーキングは元来オフシーズンのスキートレーニングとして1980年代に始まったもので、スキーのストック を持って丘を歩くこの方法が確立し、北欧のスキーヤー達は1年中トレーニングが出来るようになりました。そればかりでなく、ノルディック・ウォーキングで使用するポールには膝や背中の負担を減らす役割もあることが分かって、北欧では老若男女誰でも親しめるスポーツとして広く知られるようになりました。そうして、1997年にフィンランドで2本のポールを使用したウォーキングをノルディック・ウォーキングと定義して本格的に普及活動が始まり、現在では800万人を越える人たちがノルディック・ウォーキングを楽しんでいると言われます。フィンランドでは、1990年代後半になって健康増進のため国を挙げてノルディック・ウォーキングを推奨した結果、フィンランド国民の約1割以上の人たちが習慣的に取り組むまでに普及したそうです。日本においても、近年エクササイズやフィットネス法のひとつとして広がりを見せています。

ノルデッィク・ウォーキングの効果


 ノルディック・ウォーキングの最大の利点は何と言っても年齢や性別を問わずに楽しめ、エクササイズとしても大変効率がよい点でしょう。
 

 ノルディック・ウォーキングでは、ストックを使うことで腕や肩などの上半身の筋肉を含め全身の筋肉を無理なく強化し、首や肩の血行も促進させることが可能で、通常のウォーキングに比べてエネルギー消費量が平均20%高くなると言われています。運動中の酸素消費量が20%増えるということは運動によって消費するエネルギー量が20%増えるということで、具体的に言えば、体重60kgの男性が1時間のノルディック・ウォーキングを行なうと約400kcalのエネルギーを消費することになります。

 また、ノルデッィク・ウォーキングによってエネルギー消費量が増加する理由には上半身の筋肉が動員されることに加えて歩行速度が増すことが考えられます。そして、ノルディック・ウォーキングの動作を身体側面から見た場合、接踵期に身体後方でストックをつくことにより身体を前方へ加速する反力が発生して歩行速度が増しますが、通常の歩行ならば歩行速度が増せば膝や足首などの関節にかかる負担も増加するのに対して、ノルデッィク・ウォーキングの場合は足とストックの2点で体重を支えるため関節に無理な負担をかけずに安全にウォーキングを行なうことが可能になります。ちなみに、ノルディック・ウォーキングによって膝や腰への負担が最大で40%も軽減されたという研究報告もあり、ノルディック・ウォーキングはリハビリにも適していると考えられています。

 さらに、運動強度の指標となる心拍数は、ノルディック・ウォーキングでは通常のウォーキングに比べて1分間当り約5拍も上昇するそうです。しかし、ウォーカーが感じる主観的な運動の強度に差はないため、ノルディック・ウォーキングには身体にストレスをかけずにエネルギー消費を高める効果のあることが分かっています。また、ノルデッィク・ウォーキングでは通常のウォーキングよりも大きく腕を前後へ動かすため首や肩、肩甲骨の筋群の血行が改善されて柔軟性が増し、首や肩の痛みやコリの解消効果が期待されます。

ノルデッィク・ウォーキングの方法


 本節では特にノルディック・ウォーキングの正しい実践法を解説しました。

ストック(ポール)について


 ノルデッィク・ウォーキングはスキー用のストックでも出来ないことはありませんが、ノルディック・ウォーキング専用のポールを使用することをオススメします。ノルディック・ウォーキング専用のポールには指の部分がないストラップが付属しており、それほど強く握らずにポールをコントロール出来る仕組みになっています。なお、ノルディックスキー・トレーニングの場合は実際のスキーのポールのように少し長いものを使用することもあります。

適切なポールの長さ


 ポールの長さは身長×0.68が目安で、ポールの先を地面に垂直に立てて、使用者の肘が約90度になる長さを選択します。実際のポールのサイズは5cm間隔なので、ウォーキングした時により快適に感じる長さのポールを選ぶとよいでしょう。この長さと大幅に異なる場合は膝や背中の負担が増し、折角のエクササイズの効果が下がってしまうので注意が必要です。

ノルディック・ウォーキングの基本技術


 ノルディック・ウォーキングといえど、やはり動作の基本は通常のウォーキングですが、歩行中の前脚と後ろ脚の間の地面にポールを突き、そのまま後方に押し出して推進力とするという方法を採ります。このため、通常のウォーキングよりも歩幅がやや大きくなり、歩行速度は上昇し、そのため上記出くわしくれたような健康効果が生まれるのです。

 また、ノルディック・ウォーキングの基本技術の習得は、ポールを持たずにウォーキングを正しくできることが前提となります。背筋を真っ直ぐに伸ばし、つま先を前に向けて踵から着地して拇指球を中心に足指で地面を押し出すように蹴ります。上半身は両肘を軽く曲げ、両腕を前後に大きく振るようにしましょう。
 

ノルディック・ウォーキングの基本技術

 以下にノルディック・ウォーキングの基本技術を示します。

1:

 手をリリースした時にストラップに適当な張力がかかるように長さ調整をしておく。

2:

 手をリリースしストラップの輪に手を入れてマジックで固定しグリップを握る。グリップは親指と人差し指で軽くはさむように握り、他の指は軽く曲げて力を入れない。た時にストラップに適当な張力がかかるように長さ調整をしておく。

3:

 最初は両腕を体側に垂らしてポールを引きずるように歩く。

4:

 徐々に腕の振り幅を大きくし、身体後方でポールをついて歩く。ポールを
つく時に肘をしっかり伸ばす。肘をスムーズに伸ばすために手のひらを開いて最後はグリップを突き放すようにリリースする(しかし、手はストラップでグリップと一体化されているのでポールは落下しない)。

5:

 骨盤(殿部)を前上方へ押し出すような感覚でポールをつくことによって歩行速度が増す。

 歩行方法の教育には「テンステップ・プログラム」と言われる国際ノルディック・ウォーキング協会(INWA)が定める標準指導法により行われることが多く、専門の教育を受けた指導者による講習会も日本各地で行なわれています。指導者資格としては、INWAが認定する上位のインストラクター資格と日本ノルディックフィットネス協会(JNFA)が認定する下位・中位のインストラクター資格があります。

ウォーミングアップとクーリングダウン


 どんな運動でもウォーミングアップとクーリングダウンのストレッチは障害予防の点から必ず必要です。ストレッチは必ずしもノルディック・ポールを使用しなくてもよいですが、ここではポールを使用したストレッチを紹介します。
 

1:

胸&背中のストレッチ

 

足幅は肩幅程度に開き、両手を十分に広げて、ポールを握り、両腕を上方へ伸ばし、胸と背中を伸ばす。

2:

脇腹のストレッチ

 

 (1)の姿勢から上体を左右へ倒し、肩甲骨から脇腹を伸ばす。

3:

肩回わし運動

 

 (1)の姿勢でポールを頭上で大きく旋回し、肩を回わす。

4:

肩の回旋ストレッチ

 

 風呂で背中を洗うような姿勢を取りって、肩の回旋筋群を伸ばす。

5:

背中のストレッチ

 

 両腕を伸ばしてポールを身体の前方につき、上体を直角に倒して背中全体を伸ばす。

6:

大腿前部のストレッチ

 

 両腕を横に伸ばして、ポールを身体の側方につく。そして、片足を大きく後に引く。次に後ろの踵を上げて両膝を曲げ、さらに腰の位置を下げて、骨盤から膝にかけて大腿前部を伸ばしてゆく。

7:

大腿後部のストレッチ

 

 ポールを2本まとめて横にし、両手は肩幅程度に開く。そして、背筋を伸ばし、片足を一歩前に出してつま先を上に向け、上体をくの字に曲げて膝を伸ばす。

8:

ふくらはぎのストレッチ

 

 両腕を横に伸ばしてポールを身体の側方につき、片足を後ろに大きく引く。そして、後に引いた足のつま先を正面に向け、踵を浮かさないよう膝を伸ばす。

9:

アキレス腱のストレッチ

 

 両腕をやや横に伸ばしてポールを身体の側方につき、片足を少し後ろに引く。そして、後ろに引いた足のつま先を正面に向け、踵を浮かさないよう両膝を均等に曲げて腰の位置を下げる。