D.I.について | ~ イチゴイチエ ~

D.I.について

「D.I」で検索してブログを見に来てくれている方も多いようなので、
僕なりの説明をわかりやすく掲載しておきたいと思います。

因みにただ今ベースや楽器全般について色々と勉強中です。
(生涯勉強でしょうけど、、、にひひ)

特に音響や電気系統等、
これまで僕自身が全然勉強してこなかった分野なので、
間違いや、思い違いもあると思います。
もし見つけられたら是非コメントやメールで連絡をお願いします。

メール (バンドの問い合わせフォームですが僕がチェックしております)


さて、以前下手な絵を使ってD.I.について紹介しましたが
せっかくなのでもうちょっとわかりやすくイラストを作成しました。
(後半に掲載)


その前に、D.Iとは?

一般的には「ダイレクト・ボックス」の略称ですが、
正確には「ダイレクト・インジェクション・ボックス(Direct Injection box)」です。
「Injection」は「注射」や「注入」といった意味合いなので、
「直接突っ込むハコ」が直訳ですな。笑

なので正確には「D.I.B」って略が正しい気もするのですが、
「“ハコ”なんていちいち言わんでも見たらわかる」という理由からか、
「D.I」が一般的になったのでは?(憶測)

「B」も略されているので、
さらに正確には「 D . I . 」が正しい表記な気がします。
(最後にも「.(ドット)」を付ける)


で、「なんでベースはD.I.が必要なの?」となるわけです。
以前の内容とも重複しますが、
主には「ノイズを少なくする」、
「客席に聴こえやすい音作りをする」が基本です。


ギターなんかの音域だと、アンプの音をマイクで拾っても
基本的にアンプの出音のまま
外のスピーカー(フロアスピーカー)から出す事ができます。
また歪(ひず)ませたり、コーラスをかけたりと
いわゆるエフェクターを多用するので
アンプの音を拾った方が効率がいいのです。


ベースの低域はアンプや、アンプ前に立てたマイクだけでは、
身体に響くような綺麗な低音が外へ出せない事が多いです。
そのため一度PA卓に信号を送って、フロアスピーカーから
音を出してもらうようにするのが一般的です。


これは以前簡単に説明したので、今回はノイズについて。


基本的にベースやギターの信号はケーブル(シールド)で流します。
ライブハウスへ行った事のある人なら
見たり聞いたことがあるかもしれませんが、
例えばギターアンプから
「サー」もしくは「ジー」といった音が出ている事があると思います。

この音が「ノイズ」です。
ノイズの原因となる物(電波や電磁波等)は
常にそこらへんをウヨウヨしていて、
ギターのピックアップや、ケーブルに乗ってしまい
上記のような事が起こります。


前述のようにギターはアンプの音作りを重視されることも多いので、
仕方ないのですが、ベースの場合は一度PAに送ります。

普通のケーブル(シールド)で音の信号を送ると
ノイズが乗ってしまいます。
ケーブルが長ければ長いほど、ノイズは多くなってしまうので、
PA卓に行く頃には使えない状態になります。

そこで、一度D.I.を通してノイズに強い信号に変換するのです。

ただ、これだけ言われても
「何でノイズに強くなるのん?」という疑問が出てくると思います。
簡単にイラストを作成してみました。



D.I.


上図のように、D.I.からPA卓に行く信号に反転させた物も加えます。
途中でノイズが乗っても、
反転している信号にノイズが反転して乗るわけではないのがポイント。

PA卓に到着した信号を元に戻す際に、
反転されてある信号だけが元に戻るので
最終的にノイズは消えるという事です。

これを信号を反転させており、対称になっているので
「バランス転送」といいます。

これに対して、通常のケーブル(シールド)においては
「アンバランス転送」というのが一般的なようです。


そして、D.I.→PA卓間のみが「バランス転送」なので、
D.I.に入る前に乗ったノイズは消えないのでご注意を。



以上がノイズに強い、と言われる仕組みです。
本当はベースの出力や、
インピーダンスなどの話も出てくるのですが、今回は省略。



因みにこれとほぼ同じ理屈なのが、
ピックアップにおける「ハムバッキング」構造です。

ハムキャンセル


尚、今回の記事作成あたり、
下記のサイトを参考にさせていただきました。

「音楽用語の基礎知識」
http://www3.ocn.ne.jp/~you2003/term/di.htm

「ottotto.com」
http://www.ottotto.com/sound/index.html