雨乞いし 巷の畔に 蛙の音
コロナ禍で 店子寄らずと 燕来る
五月雨や 古き土蔵 浸わたる
理事長 逸村一徳
雨乞いし 巷の畔に 蛙の音
コロナ禍で 店子寄らずと 燕来る
五月雨や 古き土蔵 浸わたる
理事長 逸村一徳
枯芝原 踏み込む先に 雉立ちぬ
藤香り 羽音鳴る 熊ん蜂
春雨に 白く漂う 山法師
理事長 逸村一徳
桜下願いし西行法要雨
松ケ枝に 黄金散らす 山茱萸(さんしょう)花
蔵出しの 神々放つ 内裏雛
官女らと 和語らう 孫姉妹
理事長 逸村一徳
白梅や 先に咲くのは 紅梅か
喜寿迎え ますます霞む 山景色
艶やかに ゆかしき開く 蝋梅か
理事長 逸村一徳
初日の出 富士の頂き 三方位
連団子 注連縄燃える 小正月
初霜や 朝陽に光る 落朴葉
理事長 逸村一徳
枯れ菊や 凛と座するや 半跏像
松茸や 縦横裂きて 豪快に
柿簾 月夜に光る 赤銅色
拘づらし 作りて甘し 今年米
理事長 逸村一徳
木犀の 香り漂う 結界石
縁台に 尾花を添えし 十三夜
樫の実の 音無し落ちる 水面かな
尺玉と 銀漢ひかる コラボかな
理事長 逸村一徳
悠然と 蘭渓めぐる 緋鯉かな
遠き山 雲の切れ間に 天の川
隠れ沼 清白跳ねるは 山女かな
汗引きて 見上げる空の 早星
理事長 逸村一徳
旬鮎を ひれ塩香り 舌鼓む
紫陽花や 角だし語るか カタツムリ
畑仕事 日落ち忘れる 半夏生
郭公と 静寂やぶる 野の大地
理事長 逸村一徳
小夜時雨 葉音に絡む 蛙の声
木隠れに 浮き出し漂う 山法師
高原の 谷間に息吹く ヤチボウズ
朽ち葉去り ゆずる世代の ブナ若葉
理事長 逸村一徳