家からずっと離れた場所で、用事を終えて、夕日に紅く染められる街を見ていました。

ここは小さな公園で、ブランコと滑り台の他には何もなく、人も私の他にありません。

遠く人々から忘れられたような風情があっても、多分誰の記憶にもあるような、そんな景色があるでしょう。あなたが頭の中に浮かべた夕焼の公園ときっと同じところに私はいた。そんな気がします。

私はブランコを漕ぎながらユーミンを聴いた。この夕日にはきっとどんな曲でも映えるだろうけれども、ノスタルジー、と呼ぶべきかしらない暖色の雰囲気が耳にも欲しかった。私にはそれがユーミンだった。「あの日に帰りたい」を聴いた。帰りたい日は、もうないけれど。


夕日を見て落ち着くのは、活動を強いられる昼の終わりを知らせるからです。少なくとも、私にとっては。今日はもう終わりにしなさい、とお天道様が言っている気がするのです。だからそれに従って、私はブランコを漕ぎながらユーミンを聴きました。ぼんやりと。


いつか世界の終わりがやってくるとき、こんな夕焼けだったら、素直に受け入れるかもしれない。そんなことを考えながら、遠くを飛ぶ飛行機が見えなくなるまで、いつまでも、いつまでも、ブランコを漕いでいました。