なんとなく怖かった。

同期と会うことが、彼らと自分を比較してしまうかも知れないことが。


彼らと会う前に随分と逡巡した。

サークルのメンバーが勢揃いする明日が憂鬱で、どんな顔をして、どんな立ち回りをしようかと、ウジウジ、考えていた。

今日も集合前に、景気付けにお好み焼きとビールを飲んだり、陽気な音楽を聴いたりして、これから起こりうる憂鬱な展開に耐えられるだけの私を用意していた。


しかし実際に憂鬱なことはひとつもなかった。

皆、優雅で、品とユーモアがあって、私の心は、嗚呼、なんという不粋!彼らを、臆病な自尊心の為に侮辱していた!

高潔な友達の何と尊いことか。

荒んだ心に沁み渡るような、自分と同質の感覚、ユーモア、なんという、嗚呼、なんという……。


私は明日を恐れている。

一分後、一秒後、自分の見えない未来を極度に恐れている。幼い頃からいつも、未来を描写するのに黒以外の絵具を使わず、震え上がるような悪魔をモチーフとする。

しかしその絵画より恐ろしい現実が来ることはいつもない。いつも時間が私を画題の前へと引き摺り出し、引き摺り離すが、振り返って見る画題はいつも描いたものよりもずっと小さく、丸い。

現実は私が恐れるよりもずっと、私の身の丈に合っている。恐れるものはいつも、心易い驚嘆を以って私の側を過ぎていく。


なんだか大丈夫。私は大丈夫だと思った。