※怪我の描写がございます。読むのがおつらい場合はご遠慮くださいませ。
人間、長く生きていれば【九死に一生を得る】と言えるような命に関わる体験を1度はされているかと存じます。
もちろんそんなことが全く無く平穏無事に生きていけるに越したことはありません。
そんな瞬間は、全く望んでいないにも関わらず、本当に瞬く間に、想像の斜め上から自分に迫ってきます。
小学校低学年の頃にプールで溺れてしばらく気づいてもらえなかった、とか、
低温調理の鶏料理で食中毒になり1週間強体調不良でのたうち回った、とか。
『あの時、本来ならもう現世とお別れしていたのではないか?』と思うような出来事を、自分は何度か経験してしまっています。
そんな中で、とびきり痛烈に記憶している【九死に一生】体験のお話をいたします。
以前勤めていた新しい就職先で勤務をしだして1週間ほど経過した頃、全体朝会の新任挨拶があるため早めに出社しようとした日がありました。
通勤ラッシュの時間帯。
乗降する人が多くて階段の手すりなんか掴める状況ではありませんでした。
いつものように人波に流されながら職場方面に向かう電車が着くホームに降りるための階段を降りていました。
階段の半分も降りないくらいのまだ高い位置で、
なんと、自分の足に躓いて!
そのままバランスを崩して落ちてしまいました!
《階段から落ちた》、その事実がショックでよく覚えていないのですが、一歩間違えば大惨事につながっていたかもしれなかった状況で、自分の両脚すねの擦り傷だけで事が済んだのです……!
可能性として、
・ドミノ倒しのような群衆なだれが起きる
・自分自身前のめりに落ちていたら顔や頭に大怪我を負っていたかもしれない
このような事態に陥っていても不思議ではない状況でした。
にも関わらず、すねが真っ赤っ赤であること以外はなんともなく、その日もなんとか始業時間までに出社することができました。
その時階段を降りていた人で自分と一緒に転んで落ちてしまったひとは幸いにも誰もいませんでした。
(普通なら下っているときに上から誰かが落ちてきたら一緒に落ちてしまうと思うのですが、人波が逆にクッションとなってお互いの衝撃を緩和したのでしょうか?)
さらに、自分も結局前のひととの距離が近い中で前のめりに倒れ込んだので顔や頭は打たないで済みました。
転んだあと何人かから両腕を引っ張り上げてもらってすぐに立ち上がることができましたが、立たせてくれたあとその方々はすぐに何処かに立ち去ってしまいました。一瞬の出来事で御礼もままならないまま、ホームに来ていた電車に乗りました。
(その後脚の痛みとショックで結局次の駅で途中下車し、少し休んでから会社に向かいました……。この日はかなり早めに家を出ていたので、駅で電車を数本見送っても始業時間にも挨拶のある朝会にも十分間に合ったのでした。)
何度考えてもこの程度で済んだのが本当に意味がわからないほど軽微な怪我で済みました。
すねの怪我は、今では全く……跡すら残っていません。
誰を巻き込むこともなく、自分自身も大きなダメージを負わなくて済み、今も生きてこられています。
あの時助け起こしてくれた方々についても、今でもずっと感謝しています。
この時のことを何度思い返しても、『本来なら死んでいたかもしれない自分は、この時生かしてもらったんだ』という思いが湧いてきます。
自分にはまだ現世でやらなくてはいけないことがあるのだ、と。
そうも思いました。
臨死体験とまではいかなくとも、このような経験は今を無事に生きていけることへの純粋な感謝につながります。
この時助けてもらったこの命で、自分の周りの人々をできる限り助けていきたい。
自分ができること自体は高が知れているかもしれませんが、自分の手の届く範囲で自分なりに努力して懸命に生きることを周りに示していく、生きていくことを諦めずに懸命に在ろうとすることは、これからも必ず心がけていきたいと思っています。
この時の経験から、階段を降りる時も昇るときも手すりを必ず掴むようになりました。人が多くて掴めなさそうなときには人波のピークが過ぎるのを待ってでも手すりの側で階段やエスカレーターを利用します。
そんななか……
最近のことです。
先日エスカレーターの下りに乗っていたとき、フロアに着いてエスカレーターを降りる直前で背中に強い衝撃が走りました。
なんだ!?と振り返ると、なんとスーツケースが!
自分に落ちてきていたのです!
厳密には、残り1、2段のあたりで自分の後ろの人間が持っていたスーツケースが倒れ込んできて前にいた自分に当たった、という状況でしたが……
その日はリュックを背負っていたため、衝撃はあれど実質的な怪我などはありませんでした。
とても、幸運なことに……。
(そういえばこれまた昔、修学旅行で飛行機に乗るため空港で長い下りエスカレーターを利用した際、自分が降りた直後の真後ろにどデカいスーツケースが落ちてきたっけな……と思い出しました。
これもまた九死に一生の幸運でした。
……ここまできたら、絶対になにか大いなる存在から毎回助けてもらっているのです!なんともありがたいことに……!)
ちなみにどの場面でも自分はスマホを見ながら降りるなどどこかに気を散らして降りていたわけではありません。
降りることに集中して気をつけて降りていました。
それでもこのような事態に遭遇してしまったのです。
下りの場面は本当に気をつけなければならない……。
自分が気をつけていたとしても、周りが油断をしているかもしれない……。
そもそもこの地球上では必ず重力が働いているのですから、自分が落下すること以外にも何かが落ちてくる可能性は気を配っておかないといけないな、と改めて思わされた出来事でした。
階段・エスカレーターの上り下り時は何卒、お気をつけくださいませ。
まして歩きスマホは言語道断です。。自分だけでなく周りの人も巻き込みかねません。
道中お気をつけて、ご安全にお家まで無事に帰れますように。
自分はこれからも気を引き締めて過ごしていこうと思います。