長年、中学生を指導していると、
「これは多くの中学生が持っている特殊能力なのではないか?」
と思うことがあります。
その名も、
「やったっけ?」
です(笑)
しかもこのスキル。
自分から使おうと思う必要はありません。
コマンド入力不要のオートスキルです。
生徒に、
「これ、この前の授業でやったよね?」
と聞いた瞬間、
「え?……やったっけ?」
と自動的に発動します(笑)
実際、授業でもよく生徒たちに言います。
「お前ら、その『やったっけ?』っていうオートスキル、頻繁に発動するよね(笑)」
先週やった内容でも、
「やったっけ?」
数日前に説明した内容でも、
「やったっけ?」
場合によっては、
「いや、それ昨日やったぞ(笑)」
なんてこともあります。
忘れること自体は悪いことではありません
こんなことを書くと、
「最近の中学生はすぐ忘れる!」
という話のように見えるかもしれません。
でも、そういうことではありません。
人間は、一度習っただけですべてを覚えられるわけではありません。
授業中に、
「分かった!」
と思っても、数日後には忘れてしまう。
そのときは問題を解けたのに、しばらくすると解き方を思い出せない。
これは珍しいことではありません。
だから勉強では、
「一度分かったから大丈夫」
ではなく、
「一度分かったことを、何度も思い出す」
ことが大切になります。
「分かった」と「できる」は違います
授業を聞いて、
「なるほど!」
と思う。
先生と一緒に問題を解いて、
「分かった!」
と思う。
ここまでは第一段階です。
でもテストでは、先生は隣にいません。
何も見ずに自分で、
「これはこの方法を使う問題だ」
と判断して、最後まで解かなければなりません。
つまり、
授業中に分かった = テストでできる
ではありません。
一度理解したことを復習する。
忘れかけた頃に、もう一度解く。
間違えたら、もう一度確認する。
それを繰り返して、
「分かった」を「自分一人でできる」に変えていく。
これが復習の大切な役割です。
「やったっけ?」が出たら、実はチャンス
私は生徒が、
「やったっけ?」
と言ったからといって、それだけで怒ることはありません。
むしろ、
「お、オートスキル発動したな(笑)」
くらいです。
大事なのは、そのあと。
「忘れてた。まあいいや」
で終わるのか。
それとも、
「忘れてたから、もう一回やってみよう」
となるのか。
ここで大きな差がつきます。
忘れたなら、もう一度思い出せばいい。
また忘れたら、もう一度やればいい。
そうやって繰り返しているうちに、
「これ前にやったよね?」
と聞いたとき、
「……やったっけ?」
ではなく、
「あ、それ覚えてる!」
に変わっていきます。
忘れることを前提に勉強する
最初から全部覚えられる人なんて、なかなかいません。だから、
忘れることを前提に勉強する。
そして、
忘れたものを何度も思い出す。
それでいいんです。
定期テスト前になって慌てて全部覚え直すより、普段から少しずつ「思い出す回数」を増やしておく。それが、テスト本番で使える知識につながっていきます。
さて、今日もそろそろ授業です。
今日も発動するのでしょうか。
中学生たちが持つ謎のオートスキル、
「やったっけ?」
できれば今日は、発動回数少なめでお願いします(笑)