ぬりかえて。 | 僕と君と猫の話。

僕と君と猫の話。

強く、美しく。そんな生き方を小さな物語で。
「僕」と「君」と「猫」、そして「彼女」の登場人物で描く、深く読み込むと切ないばかりの詩集。

女優を目指し、喫茶店で働く主が、詩集の下書きに利用しているブログです。





雲の隙間に
時々現れる残像が
光を纏って
心を揺れ動かす

時には夕陽を映し出す、海面に
時には木漏れ日に
時にはテレビドラマの脇役に

ずっと見ていたいと思う
けれど
ずっとは見ていられない

帰ろうと言われれば背を向け
また見に来ようと呟いて瞼を閉じる

残像は決して実物には及ばず
願えども手に入れられない

切なさと温もりの儚い幻想

見た瞬間を思い出し
その瞬間を美しかった記憶に残す

振り返れば
いつでも美しく、そこにある

瞼の裏にはいつもそれがある

忘れられないほど、
今でも一番でありつづける




「きれいな景色がみたい」

「旅行でも計画しようか?」

「見たことのないところ、いこうよ」

「あるかな。でも、そんなにきれいじゃないかもしれないよ」

「それならそれでいいのよ」

「どうして?」

「忘れられない思い出になるじゃない」