うまく歩けない原因が見つからず、
病気ではないと宣言された時から、
私はできる限り普通に見えるように歩こうと努力していた。

しばらく足を引きずっていたので、
その歩き方を修正するようにすれば、
正しく筋肉が使われて、
元のように歩けるのではないだろうか。

病気ではないのだから、
早くこの歩き方の癖を治さなくては。

私が足を引きずって歩いていると、
母も夫も気になるようで、
痛くはないかと気遣ってくれる。

3歳の娘も、私の真似をしているつもりなのか
「わたち、あちがいたくて、あるけないの」
と、時々言うようになっていた。

私としては特に痛いわけでもないのだが、
周りに心配をかけたくないので、
早く歩き方を直さなくては。
そんなふうに思っていた。


でも、病気が判明した今は、
もう上手に歩こうとするのはやめた。

麻痺しているのだから、仕方がないし、
何も隠すことでもない。
誰にも悪いことはしていない。
それでいいと思った。


2月下旬
昔の職場の同僚たちと、久しぶりに集まる機会があった。
連絡はよく取り合ってはいるが、
集まるのは久しぶりだった。

当然身の上話にもなる。
1人は、子どもが小学校で長年いじめられ
ついには暴行まで受けたが、
学校と教育委員会に訴えるも
取り合ってもらえないらしい。

警察にも相談したが、あまり動いてくれないそう。
今は、弁護士を通して話をしているが、
なかなか前進しないようだ。
本当に残念で辛い話だった。

もう1人は、彼の父親が要介護で、
今も週に何度か介護をしに通っているようだが
会社にはその旨を伝えてあったのに、
転勤辞令が出てしまったそう。

サラリーマンなので異動は仕方がないが、
元職場は比較的、社員の事情を考えてくれる会社だったので、
とても驚いた。

結局父親の介護のためには、
会社を退職することになり、
新しい仕事では、給与は半分以下になってしまったようだ。

その他にも、家庭内がうまくいかずに悩んでいたり、
仕事が忙しすぎて辞めたいけど、辞められない話。

みんな明るく楽しく話しているが、
それぞれ内容は違えど、
抱えている問題はある。

それなりに生きている時間が長くなると、
楽しいことも増えるが、
同じように辛いこともきっと増えるていくものだ。

支え合って生きていこう。
そんな話をした夜だった。