泣かないと決めた日。 | Colors

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趣味である小説をかいていきます。
国民的アイドル、『嵐』さんが大好きです。

あらしっく。あらしっく。☜
にの担、磁石推しです。

主に磁石の小説ですが、他にも、櫻葉や大宮もかいています。

よければ覗いていってくださいな。


誓ったんだ。
あの日君を失ってから。

〝絶対に泣いたりしない〟って。

だって悪いのは俺だから。
君を泣かせてしまったのは、俺だから。

『和っ!』

大好きだったその笑顔を
俺が奪ってしまったんだ。

それは、何をしてもどう謝っても
許されない事。

だから、俺は心に誓った。

君が笑えないのなら、俺も笑わない。
悲しいなら…

一緒に悲しむ。

きっと、それが俺の今できる事。



そう信じて疑わなかった。







『なんでにのは笑わないの?』

ある日突然、君は無表情で俺を見て
静かに尋ねてきた。

『なんでって…』

言えるはずない。

だってこれは、君へせめてもの償いだから。

君が望んでいることじゃないって知ってるのに、わざわざ言うなんて馬鹿げてるでしょう?

『なんなの?同情してるつもり?』

『……』

そんな訳ないじゃないか。
そう言葉にしたかったのに、何も言えなかった。

心のどこかで思ってるって
自覚があるから。

『…そんな事しないでさ、笑えばいいじゃん。俺は好きでこうやってんの。』

好きで笑うことをやめた?

そんなの…

『嘘だよ。誰だって楽しいほうがいいに決まってる。自ら辛いほうへ行くなんてやめてよ。』

なんでこれ以上苦しもうとするの。

俺のせいで寂しい思いをさせてたのも、辛い思いをさせてたのも知ってる。

だからこそ、翔さんにはっ…

『ははっ。今更なに?俺はこうやって生きてきたんだよ。少なくとも、にのと付き合っていたときから、ね。』

渇いた笑い声でそう言った翔さん。

笑ってほしいと願ったのに。
そんな悲しそうな顔をして無理してまで笑うのなら、笑ってほしくない。

…矛盾だらけだな、俺。

『本当に、悪かったと思ってます。だからっ…』

そこまで言うと、俺を睨みつけて
こう言ったんだ。

『だから何だよっ!俺はそうやって、別れたのに優しくしてくるやつは嫌いなんだよっ。』

こんなにも感情を表に出すなんて…

最近の翔さんは何を考えてるのかわからなかったのに。

でも、自分の気持ちを声に出してくれたことが嬉しかった。

『ずっと想ってた。振られてから、ずっと…』

『…えっ?』

なに、言い出すんだろう。

だって…
自分勝手に別れを切り出した俺を?

『俺は…逃げたんだよ?怖くなったから…現実から目を逸らした。』

そうだよ。
そこにいる自分が間違ってる気がして、翔さんを置いて一人で。

『…んなことわかってる。でもっ。どれだけ酷い事をされても、頭から離れなかったんだ。』

『……何で…』

嬉しい、はずなのに。
心から喜べないのは何でだろう。

それはきっと…
翔さんに嫌われたいと思っていた、もう一人の俺がいたから。

『俺だって、嫌いになりたいよっ…あれだけ酷い事されてさ。……でも…』

言葉を止めて。
それ以上、何も聞きたくない。

『それだけ愛してたんだ。』

…俺の中で、何かが音をたてて壊れた。

『…んで…』

なんでこんな俺をまだ、好きだと言えるんだ。
なんで今、そんな事言うんだ。

なんで…

『なんでだよっ!俺はっ……自分の愛する人を見捨てたんだっ…』

もう、駄目だ。
涙が溢れて止まらなくって。

『…にの、泣かないで…』

俺なんか、心配しなくていいのに。
心配される権利なんてないのに。

伸ばしてくれた君の手を、握ろうとしている俺がいる。

触れそうになった時、やっと我に返って慌てて引いた。

『にの…ごめんね。にのも辛かったんだよな。なのに、自分だけそうだと思って…』

〝気づけなかった〟

『っ…』

やめてってば。

自分のした罪の重さが、その手に触れることを恐れている。

俺なんかが触れて、いいのか?
また君を傷つけて、余計に嫌われたりしたら…

今、ここで握らなければよかったと後悔することになる。

それだったら、最初から握らないほうがいいんじゃないの?

『…深く考えないで、掴んでよ。』

そんな俺の考えを読み取ったかのように、翔さんは言った。

『いい、の?こんな俺が…』

『あぁ、もう。』

そう、いつまでも戸惑っている俺に、翔さんのほうから距離を縮めて握ってくれた。

『俺は、にのが隣にいてくれるなら…自然に笑うことができるから。』

真剣な顔で俺を見た後、優しく微笑んで照れたように俯いた。

何で俺、気づけなかったんだろう。
俺に出来ることは、笑わないことじゃない。

ただ、翔さんの隣にいることなんだ。

『ごめん、ね。俺、次はちゃんと…翔さんを守るからっ。』

思わず強く抱きしめた俺の耳元で、笑い声が聞こえた。

そう…
俺が聞きたかったのは、この声だ。

『そっか、期待してる。』

『うん。』



でもね、翔さん。
今日から泣くことはしないよ。

もっと強くなって、ちゃんと守れることができるようになるまでは。

それまで、俺は…




君の隣で精一杯笑ってみせるから。



END

ん?
なんか自分でもわからない結末☜