テレビでは、古くから有名私立中学の入試問題は多くのクイズ番組に使われてきたが、この数年、バラエティー番組や情報番組の中でも取り上げられることが増えてきている。

 大喜利形式のクイズバラエティ番組などでは、お笑い芸人がひねりの効いた回答で笑いを織り交ぜながら進行し、視聴率も高い水準で推移しているという。

 「近年、私立中学の入試問題は、多くの学校で『暗記していれば解ける問題』から『本質を理解した上で考えさせる問題』にシフトしていることも関係しているかもしれません。非常にレベルの高い練られた入試問題は、問題そのものが非常に面白いコンテンツでもあります。いろいろな角度から考えることができる問題は、算数や国語といった科目の壁を超えて、おもしろくて魅力的であることが、さまざまな番組制作の方の琴線に触れたのかもしれませんね。テレビを子どもに見せないというご家庭も増えてきていましたが、こういった入試問題を面白く扱って下さる番組を多くのお子さんに見ていただき、学習は楽しみながら行っていいんだと気づくきっかけになるといい」

 またバラエティー番組を制作している放送作家によると「入試問題が多用されているのは、制作費がどんどん削減されて、あまりお金がかからず、ある程度、数字(視聴率)がとれるコンテンツ」だといい「最初からクイズ問題を作るとなると、お金も時間もかかるが、入試問題であれば、その部分をカットした上に、学校そのもののブランドも利用でき、より番組に興味を持ってもらいやすくなる」という。

 若者のテレビ離れが叫ばれて久しいが、中学入試がテレビのコンテンツとしてさらに使われていくのか、これからの動きにも注目だ。