今週は、東大と京大の現役合格者合計の高校卒業者数に占める割合の高い、都道府県ランクを紹介したい。卒業者数1000人当たりの合格者数の順位だ。

 トップは奈良で、2位は京都だった。中学受験情報誌『進学レーダー』の井上修編集長は「富山、石川を除いて、私立中高一貫校の合格実績が高いところが上位です。これらの都府県では、県内の現役合格者数トップが一貫校というのが特徴。やはり東大、京大への現役合格は、6年一貫教育が強みを発揮しています」と話す。

 奈良では現役合格者179人の86%が私立一貫校卒業者が占める。特に東大は東大寺学園22人、西大和学園20人、奈良学園1人で、すべて私立一貫校出身者だった。

 京都も洛南64人、洛星42人と私立一貫校が強い。その次に堀川37人、洛北17人、西京13人と続くが、洛北と西京は公立一貫校だ。

 3位の東京も一貫校が強い。開成が123人、筑波大付駒場80人、駒場東邦と桜蔭が64人など。公立では日比谷が22人、西が18人だった。

 近年、東大は1都3県(東京、埼玉、千葉、神奈川)からの合格者が増えている。関東ローカル化が進むが、東京3位、神奈川9位に比べると、千葉は22位、埼玉は35位と低迷。井上編集長は「東京へのアクセスが良くなって、埼玉や千葉から都内の中高一貫校に通う人が増えたからではないでしょうか」という。

 公立高の躍進で伸びたのが6位の石川と7位の富山。石川は昨年の11位から、富山は10位から伸びた。北陸新幹線の開業で、東京が近くなったことも影響しているのか。

 全体の東大+京大の平均現役合格者数は、1000人当たり3・6人。これを上回ったのは、わずか12都府県で上位の寡占状態。地方では経済的な問題もあり、地元大学への進学が強まっている。下宿させてまで子供を進学させようとは考えないようだ。私立一貫校が強いのを見ても、教育格差が広がっているといえる。