『東大+京大の現役合格率ランク』を紹介したい。データは、東大と京大の現役合格者合計を卒業生数で割った率とした。

 近年、東大、京大に限らず、受験生の現役進学志向が強まっている。親としては経済的な面から、浪人してほしくないものだが、受験生もそれほど第一志望にこだわっていないようだ。

 高校の進路指導教諭は「『浪人してでも入りたい』と考える生徒は減ってきた。それよりも早く受験生生活から卒業したいと考えているようです。皆が現役で進学するので、自分も浪人したくないという気持ちが強いのか」と話す。

 大学の選び方も変わってきた。予備校の入試担当者も「浪人生が多いのは医学部志望者で、多浪生もいます」という。東大でも2浪以上は減っており、今年も全合格者の3・4%だった。

 そんな中で、最難関の東大、京大の現役合格率が高い学校は価値がある。今年のトップは筑波大付駒場で52・9%の高率。東大合格者112人中81人が現役で、全合格者の7割に当たる。京大は2人合格で2人とも現役だった。卒業生の2人に1人が東大か京大に現役合格したことになる。 2位は灘で、東大合格者94人中72人、京大合格者35人中22人が現役だった。4位までが現役合格率3割を超えた。

 トップ10すべてが中高一貫校。私立一貫校の場合、高いお金をかけているのだから、「現役で進学してほしい」という親の考えが強いこともあるだろう。公立では京都の堀川がトップ。14・8%で18位だった。

 中学受験に詳しい専門家は「大都市圏では、中学の段階で優秀な生徒が一貫校に進学することが多く、公立の苦戦は免れません。合格者は多くても、生徒数が多いことも現役合格率を下げている理由」とみる。開成と西大和学園は生徒が300人を超えるが、他校は200人前後と少ない。

 景気が回復したといっても、現役で進学してもらうのが何よりの親孝行。現役進学熱は今後も続きそうだ。