櫻葉のお話
BLなのでご注意ください
(きゃんじゃに横子ちゃん目線でお送りします♡)











漫画なんかで良く見る、全女子生徒に認知されていて同性からも人気があって
その上勉強は勿論、スポーツもそつ無くこなす所謂



〝 学園の王子様 〟



そんなものは現実世界である訳がないと思ってた




この学校に入るまでは。







「ん?みんな窓から顔覗かせて何しとんの?」

「隣のクラスが体育の授業なんやって」

「…あぁ。王子様の見学な」



村子の言葉で理解した、隣のクラスに居る
櫻井 翔なんて名前からして何かキラキラしとるイケメン目当てなんやな



「ここにやってイケメンおんのになぁ?」

「ほんまやで。なっ、まーくん」

「へ?」

「へ?ちゃうよ。相葉ちゃんがイケメンやなぁって話やんか」

「えっ?まさかマジメに課題やっとったん?」



急に自習になった授業で、私は勿論やけど周りもぺちゃくちゃ喋ったり賑やかにしてるのに

隣の席でマジメに課題のプリントをこなす、まーくんにビックリする。


…いや、やらなあかんねんけどね?




「だ、だって提出しなきゃだし…」

「いやいや。そういうマジメな所が相葉ちゃんのええ所やんか」

「…ほめられてるのかなぁ?」

「なんでぇな!どう聞いても褒め言葉やろ!」

「村子が言うと一気に胡散臭なるよな分かるわ」

「おいこら。どういうこっちゃ」



3人でそんな風に話てると、騒がしい中でも耳に入ってくる声



『また相葉くんに話かけてる』

『相葉くん誰にでも優しいからって勘違いしてんじゃないの?』

『あいつらホント馴れ馴れしいんだよね』



ホンマみっともないくらいの嫉妬に、内心笑う

そんな嫉妬が無駄な事を知らない哀れな奴らめ。




だって、そんな愛されしまーくんは



「なぁなぁ、まーくん」

「なぁに?」

「愛しの翔くんと上手くいっとんの?」




学園の王子様、翔くんとデキとんやからな。





「はぁっ!?ちょっ、何言ってんの!」

「相葉ちゃん。相葉ちゃんの声のがでかいで」

「はっ!」

「ほんまに〜。びっくりするわ」

「オレのがびっくりしたっつーの!」

「ふははは!ほんで、ちゃんと出来たん?」

「…何が?」

「何って、前に失敗した壁ドンのリベンジするんやって燃えてたやん」

「確か…手ぇいたぁ〜い!やぁだぁ〜!って甘えて翔くん堕としたんやっけ?」

「ちっがぁう!甘えてねぇし!!」



机をバンバンしながら抗議するけど
正直、翔くんと居る時のまーくんって…何か一気に甘えてるように見えるねんな。

ほんで、翔くんは咎める所かデレデレに甘やかしてるし


実は密かに〝 櫻葉会 〟なんていう、ふたりを見守る腐女子の会が立ち上がってる位には
特別な雰囲気を漂わせてる事を、このふたりは知らないんやろうなぁ…

(※そして実際に付き合ってるってどんなご褒美やねん!)




「なぁ、まーくん」

「なにっ!?」

「やっぱ、イケメンはイケメンと居るのが絵になってええよなぁ」

「……、はい?」













「あれ、まーくんやん」

「あっ。横子ちゃん」



帰ろうと下駄箱に行くと、何故か1人で暇そうにしてるまーくんが居た。



「まーくんも帰るん?」

「うん。横子ちゃんも?」

「せやねん。一緒に帰る?」

「ん〜…」

「ん?」

「嬉しいお誘いなんだけど…しょーちゃん待ってて」



眉を下げて恥ずかしそうにも、照れ臭そうにも見える表情でやんわり断られて理解する


そっか、翔くん待ちやったんか



「ふーん?デートかぁ」

「デッ、デートって訳でも…」

「ふはは!ええやんええやん、楽しんでおいでな」




そうかそうか…これは村子にっていうか、櫻葉会の子らにも共有しとかなあかんな

ほんで、後日まーくんにデートどんなんやったか聞いて…それもまた共有せなな〜!!!




「ー…ちゃん、横子ちゃん」

「はっ!えっ、な、なにっ!?」

「だからぁ…今ちょっと時間ある?」

「へ?あぁ…あるよ?」



バレてはいけない会の存在を頭から消して
目の前のまーくんに向き合う




「オレね、すごい練習したの」

「…練習?」

「壁ドンの練習!」

「どんだけリベンジしたいねん」

「ちょっとその練習の成果…って程でもないんだけど!けど、横子ちゃん見てくんない?」

「…ん?私が壁にドンってやるまーくん見てたらええって事?」

「そういうこと!!」

「はははっ!面白そうやからええよ」




まーくんが誰も居らん壁に向かってドンっ、てやる姿なんて絶対に面白いやん

何かこういう天然な所が可愛いって言われるんやろうなぁ〜…



そう思って呑気に下駄箱へ背を向けてた








ー…ドンッ!!




「……、はぇ…?」



誰も居ない壁に…って筈だったのに

何故かまーくんの片手は私の顔の横にあるし
初めて見る至近距離にあるまーくんの顔は整ってて、やっぱりイケメンなんだと変にドキドキする



「ち、ちょっ…まーくん…///」

「…どう?上手く出来てる?」

「出来てる!めっちゃ上手く出来てる!」

「ほんとっ!?」

「う、うん!これなら翔くんもキュンキュンしてくれるわ」

「くふふっ!やったー!!」



パッ、と離れたまーくんはいつもみたいににこにこ笑顔ではしゃいでる


急に知らん顔みたいなん見せられてビックリしたわ…!///



「あっ!やべ、今日のプリント机の中に忘れて来た!!」



変にドキドキする私を置いて、颯爽と教室に戻るまーくんを見送って



「はあぁ〜…あれはズルいってえぇ」



いや、ほんまに。

ほんまに私は、まーくんを恋愛対象として見てないし
何なら心の底から翔くんとの恋を、ずっとずっと見守らせて欲しいと思ってるけど


ギャップ萌えは反則ちゃうか???



思わず顔を両手で隠して、そのままずるずるとしゃがみこんでしまう程の破壊力。

恐ろしいぞ相葉雅紀。




「…いや。でも私は櫻葉派やねん…」

「なぁ」

「へ?」


突然、頭上から聞こえた声に顔を上げた




瞬間



ー…ガンッ!!!




「ひょえぁ!!?」



急に顔の横に飛んできた脚に素っ頓狂な声が出た


いや、脚…えっ、脚!!?



「お前、さっきアイツに何されてたんだよ」

「ひぇっ…しょ、翔くん…!」



飛んで来た脚の主は翔くんので…

その翔くんは恐ろしい形相で、こっちを睨みつけている。


えっ!嫉妬!!?
萌えるっ…萌えるけど怖っ!!!!



「さ、さっき…とは…?」

「あ?しらばっくれてんじゃねぇよ。雅紀に何かされてたよな?」

「ひぇ…あ、あの…目にゴミが入ってぇ…そ、それでぇ……」

「だからあんな至近距離に顔近付けてたってか?」

「は、はひっ!そうです!!」



じーーっと見てくる視線に耐えれなくて
ツイーっと視線を逸らすと、横にある脚は下駄箱をぐりぐりする

い、威嚇しないでくださいぃ…!!




「…ま、今回はそういう事にしといてやるよ」

「ほっ…」

「ただし。次またこんな事があったら」




ー…ガンッ!!!!




「ぎょわっ!?」

「うっかり、その顔面に脚めり込ましちまうかも」




にっこり。黒い笑みを浮かべるその顔は正に悪って感じやし
何なら、何の罪もない女の子に対してやってるこの行為が最低で最悪でしかないんやけど



それでも、やっぱりどうしても




こんな状況でも、怒りの矛先がまーくんにではなくその相手に対して向ける櫻井翔が最高やろ…!!





なんて思考になるんやから、ほんまどうしようもないなって思うわ。










END







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前回のお話のおまけ的な感じで書いたこのお話‎𖤐 ̖́-‬
横子ちゃんと村子ちゃんに出演して貰いました(¯ᵕ¯*)
前回の感想で、壁ドンされて翔くんに怒られたい〜♡
っていうのが多かったからそこ取り入れてみたよ(*´ `*)
今迄とは、少し違う感じになったかな〜??
と思うけど…少しでも楽しんで貰えたら嬉しいです♬.*゚