櫻葉のお話
BLなのでご注意ください













部屋風呂から海が一望できるこの景色は贅沢で
こんな絶景を、2人並んで堪能するもんだと思ってたのに





『もぉ…まだ準備あるから一緒には入れないよ///』





恥ずかしそうに目を逸らして言う雅紀の姿に
脳内でアレコレする姿が浮かんだから、慌てて頭を縦に振る事しか出来なかった。




「はあぁ〜…めっちゃ最高な景色だな」



そろそろ日が沈むってタイミングだったから、目の前の海はオレンジ色に染まっててそれだけでも特別な感じがする




「夏は海とかいいな…アイツめっちゃ喜びそうだし」



すぐに想像がつく雅紀のはしゃぐ姿にこっそり笑ってた筈なのに




「…ん?でも海ってなると治安が微妙か…?」




脳裏に浮かんだのは、パーカーを羽織って水着姿の雅紀をナンパする想像上の男。



…いやいや、自分でもどんだけバカなんだと思う

思うんだけど、想像上の男に気安く触られてんのも
素肌を見られてるのもムカムカしてきた




無し無し無し無し

海なんて絶対に無しだっつーのっ!!!





「しょーちゃあん?」

「うわっ!?」

「ひゃははは!そんな驚く?」

「べ、つに…どした?」




突然現れた雅紀に驚いてそっちを見ると
先に風呂を終えた雅紀は、アイボリー色の浴衣を纏っててやっぱり似合ってる。




「んとねー、あと5分でご飯の時間だから呼びに来た」

「おっ、まじか!さんきゅう」

「早く出て来てね」

「雅紀ぃ」

「ん?」

「ん」



引っ張り上げて貰おうと腕を伸ばしたら
意味を察したらしい雅紀は、にこにこしながら近付いて来る



「しょーちゃんお子ちゃまなんだから」

「何でだよ」

「くふふ。はい、いくよぉー」




ぐんっ、と引っ張られるままに身を任せてると難なく立ち上がる躰




「はい、早く着替えて来てね」

「雅紀ぃ」

「はい?」

「拭いて」

「ひゃははは!いい加減にしろっつーの!!」

「ふははは!」




しっかり自分で身支度をして、一足先に部屋へ戻ってた雅紀の後ろ姿を捉えた途端



急に、今日この後に起こる事が頭に広がって




「あっ。しょーちゃんおかえりぃ!」

「……おう」




さっきまで無かった緊張が襲って来て、心臓がバクバク煩く鳴っていた。











美味い料理は勿論、酒も嗜む程度に堪能して
ソワソワしてる内に布団を敷きに来てくれた仲居さんを見送って


静まり返る部屋には俺と雅紀の2人だけ。




同性とってのが初めての俺は、この日の為にしっかり勉強して来たし
何ならそういう道具だって持って来た


だから、きっと大丈夫。上手くいくよな……



1人そんな事を思いつつ、まだグラスに残ってたアルコールを飲み干してると



「しょーちゃん」



座る俺の隣に、ぴっとりくっつく雅紀。


こういう何気ない仕種が俺のツボにくるんだよな




「んー?」

「へへ。ふたりっきりだね」

「ふはっ、そうだな」

「しょーちゃん」




少し弾むような可愛いらしい声に呼ばれて振り向いたら



「んっ……」



しっとりした唇に、優しくキスをされた。












つづく








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はいっ!てな訳で次から限定です⸜(*˙꒳˙*)⸝
そんな長引かない予定だよー♡♡
(そう言いながら短かった試しがないね。うん(・∀・))
引き続きよろしくお願いします♬.*゚