櫻葉のお話
BLなのでご注意ください





















結局、先輩とは料理を運んだ時に顔を合わせただけで
その後の会計は女将さんがしてくれてた事に内心ホッとした。







「まさか今になって先輩に会うなんて…」



誰も居ない夜道で呟くと、ポケットで振るえたスマートフォン。

取り出した先に見えた画面には大好きな名前が表示されてる




「もしもーし!しょーちゃん?」

『おー。バイト終わった?』

「うん、丁度ねもうすぐ家に着くとこ」

『周りに変な奴とかいねぇ?大丈夫か?』

「ひゃははは!ねぇ、毎回おなじ事きくよね」

『毎回おなじ心配してんだよ』

「くふふ…そっか」



心配してくれる翔ちゃんのお陰で、さっきまで頭の中に居た先輩は綺麗に消えて

変わりに心が幸せできゅうっ、てなる。




「しょーちゃんもバイト終わった?」

『おう。さっき帰った』

「そっかそっか。おかえりー!」

『ふはっ、ただぁいま』

「…ねぇ、ずるくない?」

『んあ?何がよ』

「そんな甘い声で、ただいまってさぁ…」

『はははっ!甘ったるくなってました?』

「もうっ!…会いたくなっちゃうじゃんか」



なんて。

そんな言葉を受け止めてくれるって分かってるから

『重く思われないかな』とか『否定されたらどうしよう…』とか、マイナス思考にならず遠慮なく言葉に出来ちゃうんだよね




『俺も。雅紀に会いたいよ』

「…ほんとぉ?」

『当たり前だろ?終電で行こうかな…』

「ううん!違う違う!!」

『ん?』

「会いたいって思ったのはホントだけど、でもしょーちゃん今からお風呂入ったり色々あるでしょ?そういう自分の時間、ちゃんと大事にして欲しいの」

『雅紀…』

「だから…会いたいけど、会いに来て欲しい訳じゃないって事!」



説明ってものが苦手だから、自分の伝えたい事がちゃんと伝わるように言えてるか不安だけど…



『雅紀』

「ん?」

『俺、お前のそういう所ホント好き』



スマートフォン越しに聞こえた、優しい声にきっと伝わったんだと嬉しくなった。





そこから暫く他愛ない会話をして
時間も時間だし、そろそろってタイミングで翔ちゃんの



『あ、今日もバイト何事もなかったか?』



何の気なしに言った言葉で過ぎった、記憶の中よりも随分と大人になった先輩の姿。


言うべきか一瞬悩んだけど。


でも、きっともう会う事もないだろうし…




「…ううん。今日も平和に終わったよ!」




翔ちゃんには言わない事にした。






「そんな毎回心配しなくても、酔っ払いに絡まれる事なんてそんなにないからね」

『いーーや!それは分かんねぇだろ』

「何で?」

『は?俺が客なら酔ったフリしてお前にべたべた触るからな。だから同じような奴が居るかもしんねぇって思うんだよ』

「くふふっ!類友てきな?」

『…それはちょっと違うくね?』

「え?」









つづく






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昨日の夜会は嵐が恋しくなるやつだった〜( ᵕ ᵕ̩̩ )
嵐SP基、しょうくんSPな神回でしたね‎𖤐 ̖́-‬
またリベンジあるのかな(*´֊`*)