櫻葉のお話
BLなのでご注意ください

















翔ちゃんとの旅行も、気付けばあと1週間後に迫っていて



「ありがとうございましたー!!」



そんな楽しみが顔に出てたのか、お客さんを送り出して店内に戻ると女将さんが声を掛けてきた




「雅紀くん今日すっごいニコニコしてるわねぇ」

「えっ!?そ、そうですか?」

「んふふ。何かいい事あったんでしょ〜?私には分かるわよ」

「えー?おばちゃん、雅紀いっつもニコニコしてんぞー?」

「やだねぇ。いつもよりニコニコしてんのよ!」

「そう…なのか?」

「バイトくん何かいい事あったの?」

「えぇ!?い、いや…あったと言うかこれからって言うか…」



女将さんの言葉に常連のおじさんたちが話を振ってくるけど、流石に恋人とお泊まり旅行に行くだなんて言えないし…

そう思って少し言い淀んでると、厨房から顔を覗かせた店長。



「おらおら!俺の料理が冷める前に早く食っちまえよ!!お前はさっさと料理を運べ!」

「はぁ…煩いのが叫んでるねぇ」

「おいっ!誰がうるせぇんだよ!!」

「叫んでるの1人しか居ないだろうよ!」

「なにぃ〜…」

「あっ!オ、オレ料理運んで来ますね」




いつも通りの光景に笑い声が響くのを聞きながら厨房に戻って



「雅紀、それ1番テーブル」

「はい。あの、店長」

「ん?」

「さっきは、ありがとうございました」



料理が乗ったおぼんを手に、さっきの助け舟に関してお礼を告げれば



「あいつベラベラうるせぇからな。適当にあしらっときゃいいぞ」



女将さんには聞こえないようになのか、コソッと冗談交じりで言われた言葉に思わず吹き出してしまった。







言われた席へ料理を運んで来ると、そこに居たのはピシッとしたスーツを着た若いサラリーマンっぽい2人組
 



「おまたせしました!」



何かオシャレなお店とか似合いそうな人たちだなぁ〜…なんて思いつつ声を掛けて、テーブルに料理を置いていく




「うまそー!ありがとね」

「いえっ。では、ごゆっくりどうぞ!」




ペコっとお辞儀をして、厨房に戻ろうとした










「……もしかして、相葉?」





突然呼ばれた名前に顔を向けると、整った顔に飾られた黒縁メガネ。
その奥にある瞳と視線がぶつかった瞬間






恋人って…俺ら男同士だろ?勘弁しろよ 〟







あの声が頭の中で聞こえた







「…、せん…ぱい?」











つづく







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本編で出て来たこのセリフ覚えてる〜???
あれ書いてた時から、続編あるなら絶対登場させる!
って決めてた雅紀に苦い思い出残した相手だよ‪( ◜௰◝ )‬
これ書いてた当初は配役決めてたんだけど
個人的に、もうこの配役使えないなぁ…って感じで(笑)
未だにどうするか悩んでるよ‎𖤐 ̖́-‬笑