櫻葉のお話
BLなのでご注意ください

















「へー、まだヤってなかったんだ」

「ぶっ!」

「うわっ!お前きったねぇな…」

「うるせぇ!お前がでかい声で変な事言うからだろ!!」

「はい?お前のその声のが何倍もでけぇし、うっせぇんだけど」

「おまっ…!」

「はいはい。店内ではお静かにね〜?」

「ぬぐぐっ…!」




涼しい顔で言い返してくるニノを恨めしく思いつつ、テーブルの上へ盛大に吹き出してしまった珈琲を拭く



あぁ〜…なかなかの値段したのにぃ




「で?旅行先でヤっちゃうんだ」

「まぁ…予定ではあるけど」

「何だよ。あんまノリ気じゃねぇの?」

「オレっつーより…しょーちゃんがね」

「翔さんがノリ気じゃねぇの?」

「…いや?めっちゃノリ気だけど」

「え?翔さんノリ気なの?」

「うん」

「じゃあお前がノリ気じゃねぇんだろ?」

「そんな事ないけど」

「…お前ずっと何言ってんの?」

「何でだよ!」




意味が分からないと言いたげなニノに、悩みって程でもないけど

ちょっと不安…かな?みたいな想いを呟いてみる





「オレら付き合って1ヶ月だろ?」

「はぁ」

「で、ヤる直前まではしてんの」

「…お前は本当に何言ってんの?」

「ちょ、だから聞けって!」

「日本語で話てくんないと俺も聞けねぇけど」

「ずっと話てるわ!」

「はいはい分かった分かった。で、直前までしてて何よ?」

「そこまではいけるんだけどさ…その先で決まるじゃん」

「……うん?ポジションがって事?」

「じゃなくて!ポジションはもう既に決まってるからいいんだけど…」

「そこは決まっとんかい。…他に決まる事あったっけ?」

「あるよ!!オレとしょーちゃんが、このまま恋人で居れるかどうか決まるって事だよ!」




力が入り過ぎて思わず、目の前のテーブルを叩くと大きな音が響いて集まる視線


うわわ…やべ…




「…お前ちょっとは静かに出来ねぇの?」

「…ごめんなさい」

「ふぅ…。要はさ、翔さんとってよりも翔さんが最後まで出来るかが不安って事?」

「…うん」

「でも直前まで出来てるって事は、ちゃんと翔さんの反応してるって事だろ?」

「…ま、まぁ…///」

「んじゃ、いけんじゃねぇの?顔赤らめるのキモイからやめろよ」

「誰がキモイんだよ!!」

「つか、お前と翔さんのノロケとかリアル過ぎて気まずいからな」

「ノロケじゃなくて不安だっつーの!」

「は〜〜。無自覚なのが余計に鬱陶しいんだよな」

「人の話を聞け!」

「お前がな」




まだ言いたい事はあったけど




「お、タイムリミットだわ」




そう言って、スマートフォンをポケットに入れて席を立つ支度をするニノがバイトに行く時間なんだと理解して仕方なく席を立つ




「旅行つっても、すぐに行く訳じゃねぇんだろ?」

「まぁ…来月だけど」

「旅行誘ったのは?」

「しょーちゃん」

「そこでシよってわざわざ宣言したのは?」

「…しょーちゃん」

「そんだけ用意周到なのに、最後まで出来ねぇなんてあるかよ」

「そう…だよね?」

「仮に、それで無理だったらマヌケ過ぎて笑ってやりゃいいんだよ」

「にの…」

「まぁ、俺は翔さん怒らすとこえーから笑わないけど」

「おい!!!」

「ふははははっ!」




何だかんだで、最後はやっぱり背中を押して貰って
ニノに言って良かったななんてスッキリしてた









「ん」

「ん?んってそれお前の会計だろ?」

「相談料って事で。俺もう走って行かないとバイト間に合わないし」

「は?え、だってまだ30分は…」

「んじゃっ、よろしくね!」

「うぉい!!!」

「ごちそうさまでしたー!」




本当に走って行ったニノの後ろ姿を、感謝の気持ちがない…訳でも無いから

仕方ないなと渡された伝票片手に見送るしかなかった。













つづく







⋆┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈⋆

翔くんと最後まで出来るか不安なまちゃき*
でもノリノリで誘ってたのは翔くんなのでね
普通に出来そうなんだけどな(・∀・)笑