モデルズ前提の櫻葉*智潤のお話
BLなのでご注意ください
ー Mside ー
「…まつじゅん、怒ったか?」
見送る相葉くんから顔を逸らして、タクシーが走り出して暫くすると小さく聞こえたリーダーの声
さっきまでの明るい声なんかじゃない…
落ち込んだ声の謝罪に、俺は反応出来ずに街灯がやけに眩しい景色をただ眺めてた
「今さらだけどさ、俺すんげぇしつこかったなぁって…」
「……」
「あの…あ!今から相葉ちゃんに連絡し…」
「いらねぇっ…」
「え?」
「っ、…いらねぇつってんだよ…」
折角、漏れそうな息も啜ったらバレる鼻も我慢してたのに
リーダーからの提案に、静止を掛ける声はみっともない程に震えていて自分のダサさに益々目の奥が熱くなる。
「まつじゅ…ごめん!俺、ほんとにそんなつもりなくて…」
焦ったように声を掛けて、背中を摩って来るその仕草も余計に俺を惨めにさせるんだと言いたいのに
言葉の変わりに息が漏れて来るこの状況も
自分から行きたいと言った癖に、俺とリーダーを同じタクシーに乗せた相葉くんにも
あの時怖がって俺が直接、翔くんにリーダーと相乗りしてって言えなかった事も
そして何より
あのタクシーの中で、もし2人に何かあったら…なんて考えてしまう自分にも腹が立つ。
「まつじゅん…まつじゅん!ほんとにごめん!!なぁ、…まつじゅんん…」
腕に感じた重みに視線を向けると、眉をハの字に下げて今にも泣きそうな顔で謝罪を続けるリーダー。
そんな姿を見て、苛立ちが収まった訳でも罪悪感を抱いた訳でも無かったけど
「…もういいよ」
それでも何の感情も湧かなかった訳ではないから、それだけ告げると泣きそうな声で俺の名前を呼んで腕にしがみ付いて来た。
ヴヴヴ…
ポケットで震えるスマートフォンに気付いて取り出せば新着メッセージが来ていて、名前を見ると相葉くん。
ほんの…ほんっの少しだけ、浮上した気持ちで画面をタップすれば
〝 さっきはごめん。翔ちゃん送り届けたから、今から行っていい?🥺 〟
行っていい?の後に付いてる絵文字に思わず小さく口元が緩む
相葉くんの、気まずくさせないようにって配慮がひしひし伝わって
不本意ながら可愛いなとまで思う始末。
もう家に着くし了承の返事を返そうとすれば
「う゛っ…」
「え?」
「やべ…気持ち悪ぃ…」
「は!?え、大丈夫かよ!?」
突然リーダーが吐きそうになってるから、慌ててスマートフォンをポケットに直して
「も゛…やべぇ……ぐっ!」
「待て待て!ほらっ、俺ン家ついたから早くトイレ行けって!!」
丁度着いた俺の家に、そのままリーダーを連れ込む形になったのだった。
実はこの時にはもう、相葉くんは家の前に居てこの光景を見てた事も
この事が後に誤解を生む切っ掛けになる事も
今の俺には知る由もななかった。
つづく
✎︎____________
暫く続いた潤ちゃんサイドのお話ですけども
次回で一旦、潤ちゃんサイド終わりの予定です*
なのですが…!
ちょっと違うお話の予告を今日UP予定です(・∀・)
(※予定なので明日にずれる可能性もある…!)
そちらもチェックしてね〜〜ʕ •ﻌ• ʔฅ