モデルズ前提の櫻葉*智潤のお話
BLなのでご注意ください



ー Mside ー















少し経ってトイレから戻ったリーダーが、俺の隣に座るから

自然と相葉くんは翔くんの隣に座って、俺も相葉くんも向かい合わせには居るのに会話はもっぱら隣同士で繰り広げられてる。





「ー…で服がさ」

「ひゃははは!それ…ーで…」





翔くんの気持ちが解った今、目の前の2人の姿を見るのが怖くて


視線は残り少なくなった料理か、話してるリーダーにしか向けられない癖に耳だけは目の前の2人に向いる始末




それでも断片的にしか拾えない会話でも、盛り上がってる事だけは理解できて一気に不安になった心はそれだけで陰りを見せる。





「まつじゅーん、どしたぁ?」

「へっ?何が」

「何か静かになってっから」

「いや…仕事の後だから少し疲れてるだけだよ」

「あんま無理すんなよぉ?」

「…アナタはもう少し喋ってくれていいんだけどね?」

「……ぐぅ…」

「ふははは!急に寝たフリすんじゃないよ」

「んふふふ」




リーダーと他愛ない話をしながら残り少ないビールをグッ、と流し込むと不意に聞こえたのは

翔くんが明日オフの相葉くんを誘う言葉だったから





早くこの時間が終わって2人きりになりたいと思った。








「まー」



食事も終えて店の外へ向かう途中、目の前を歩く相葉くんの服を引っ張って呼び止める


すると、思わず出たいつもの呼び方に驚いたのか少しだけ目を見開いてから見慣れた優しい表情を見せる相葉くん。





それだけで、俺の胸はぎゅうっと鳴る。





「ん?どした?」

「俺知らなかったんだけど…」

「知らな…何を?」




〝 翔くんがまーを好きな事 〟



なんて絶対に言えないし、寧ろ気付いて欲しくないから言うつもりもない


だからこの不安を本当は知って欲しいような…知らないままで居て欲しいような複雑な気持ちは押し込めて





「明日!まーが休みなの知らなかったんだけど!?」




そんな当たり障りのない事を言うと、優しい相葉くんは眉を少し下げて
俺と居る時に見せる少しお兄さんの顔になる





「ふは、何よいきなり」

「…何で俺は知らねぇのに、翔くんは知ってんだよ?」

「しょーちゃんが、皆のスケジュール把握してんのはいつもの事じゃん」

「そう…かも知んないけどさぁ…」





翔くんの気持ちを知らない相葉くんに、仕方ないとは思いつつ少しの不満も抱くけど



それでも結局、どんだけ落ち込んだって不安になったって

それを救い上げてくれるのも、大丈夫だよって寄り添ってくれるのも目の前の相葉くんしか居ない訳で…





「…ね、やっぱり辞めよって思ってたの辞めていい?」

「…ふは、どう言う意味だよ」

「朝まで一緒に居ようねって意味だよ」





あぁ、ほら。


相葉くんはいつだってその優しい瞳で、優しい言葉で、確かな温かさで俺を安心させてくれる術を知ってる。



家に帰ったら、リーダーに俺たちの関係をバラしてしまった事を正直に伝えて…

それから、翔くんの気持ちは隠しつつ
俺の不安と、プライベートでは余り翔くんと2人にならないで欲しいって我が儘を伝えてみよう。




きっと優しい顔をして




『その分、潤ちゃんが構ってよね』



なんて、また上手に俺を甘やかす言葉をくれるだろうから。





頬に感じる指先の熱にそっと目を閉じると、触れると思ってた唇じゃなく


瞼に優しい感触が降りて来たから




その感触が相葉くんみたいな柔らかさだと、柄にも無い事を思って恥ずかしくなった。











つづく









✎︎____________

へいへいへいへい(・∀・)
おじゃま虫なおやまが居ないのをいい事に
甘々モデルズちゃんを収めておきました‎𖤐 ̖́-‬
まぁ、その間にタクシージャックされとる訳ですが(笑)