モデルズ前提の櫻葉*智潤のお話
BLなのでご注意ください

















「おっす」

「おはよぉ」




翌日。

約束通りわざわざ迎えに来てくれた翔ちゃんの車に乗り込んで、向かったのは互いに世話になってるショップ



2人で服をいくつか物色してる最中も、頭の中は松潤の事でいっぱいで…





「お前、ずっと携帯気にしてんな」

「えっ!?」

「誰かからの連絡待ってんの?」




ショップを出て翔ちゃんお薦めのカフェで一息吐いてると、不意に掛けられた言葉にグッ。と口を閉じてしまう





「そういや、お前大丈夫だったのかよ?」

「何が?」

「何って…昨日あの後だよ」

「…あー…うん、まぁ…」

「俺を先に送った後、松本ン家に行ったんだろ?」




タクシーの中から松潤へ送ったメッセージ。

そこには、今から会いに行っていいかどうか訊ねる内容を書いてたんだけど中々既読にならなくて




『なに、返事ねぇの?』

『ん…』

『まだ拗ねてんだろ。このままアイツん家に行ってみたら?』

『え!?』

『どうせ家に帰ってるのは解ってるんだしさ。一緒に帰る気で居たなら追い返す事はねぇだろ』



そんな翔ちゃんの言葉に背中をグイッと押されたから

相乗りした翔ちゃんを先に送り届けたタクシーでそのまま松潤の家に行ったんだけど…




「うん…でもちょっと行き違い?になったみたいで」

「は?行き違いって何だよ」

「いや、行き違いっつーか声掛けそびれたっつーか…」

「んだよ。解りづれぇからハッキリ言えよ」

「…リーダーと一緒にマンション入ってったから…ちょっと声掛けるタイミングが、ね?」




タクシーで松潤の家の前に着いたと同時に見えたのは、2人が一緒にマンションのエントランスへ入って行く姿で。



もし、これがご飯へ行く前なら



リーダーが抱いてるかも知れない、松潤への感情に気付く前ならきっと何も思わず普通に声を掛けれてたのに




それをする事すら出来ない位に、自分の中で大きな不安材料になってるんだと認識してしまった。




「え、兄さんも一緒に降りてたの?」

「いや、ほら!あの…元々リーダー松潤とご飯に行きたいって言ってたしさ?多分まだ松潤と呑みたかったのかも知んないよね」

「ふぅん」

「うん、何かね最近よくご飯に誘われるって松潤も言ってたし!」




なんて自分に言い聞かせるように話すけど

言葉にすればする程に、リーダーの松潤への想いが確信に変わっていく感じがする。



…あ、ダメだ翔ちゃんと居るのに気持ちが暗くなっちゃいそう…!!



そう思ったから、慌てて気持ちを持ち直そうした









「なぁ、新しく出来た焼き鳥屋しってる?」

「へ?や、焼き鳥屋さん…?」




突然かけられた言葉に首を傾げれば、翔ちゃんはスマートフォンを差し出して来た。




「ここなんだけどさ…ほら。完全個室のやつ」

「うわっ!何かすげぇオシャレな感じ…お酒の種類めっちゃあんね!?」

「だろ?ここの日本酒すげぇ旨くて、このハツと良く合うんだよ」

「うっわあぁ〜…めっちゃ美味そう!!」

「でさ、レバ刺しも最高にうめぇのよ」

「レバ刺しいいね…あー!!このササミの盛り合わせ美味そうなんだけど!」

「おぉ。お兄さんお目が高いっすね?」

「くふふっ、でしょ?えぇ〜…これ種類あるから色んな味が楽しめるじゃん」

「美味いの間違いなしよ」

「これ食べたいなぁ…」

「だろ?今度さ、ここ行くか?」

「えっ、マジで!?行く行く!ぜっったいに行く!」

「ふははは!おう、じゃあ予定合わせっか。お前いつ空いてんの?」

「待って待って!いまスケジュール確認するからっ」




ポケットから取り出したスマートフォンを、さっきとは打って変わってウキウキした気持ちで触ってたら

ふと、視線に気付いて顔を上げた先には勿論翔ちゃんが居たんだけど



「…ねぇ、しょーちゃん」

「ん?」

「何でそんな顔で見てんの?」



何か…親かな?ってくらいに優しい眼差しでこっちを見る翔ちゃん。




「ふはははっ!そんな顔ってどんなんだよ」

「なんかぁ…親?って感じの顔」

「…え、何それ老けたって事?」

「ひゃははは!この短時間でどんだけ老けれんのよ」

「ふはは、お前が親とか言うからだろ?」

「んん〜老けたとかじゃなくてぇ…すっごい慈愛に満ちた…みたいな?優しい顔してんなぁって思ってさ」

「…お前、慈愛とか知ってんの?」

「ひゃははは!おーーい!!あんた失礼だな!?」

「うははははっ!」



2人でゲラゲラ笑ってると、少し店内がザワついて来た気がして

そろそろ移動しようと翔ちゃんへ声を掛けようとしたタイミングで、同じように席を立つ準備をした翔ちゃんが




「まぁさ、良かったよ」

「へ?」

「やっぱ、笑ってるお前を見ると安心するからさ」





相変わらずの優しい微笑みで、そんな甘い言葉を残して行くもんだから





「おーい。早くしねぇと置いてくぞ?」

「待っ、待ってよぉ!」





思わずその場にフリーズしちゃったじゃんか!













つづく








✎︎____________

弱ってる所に優しくされると響くのは世の常です( ˇωˇ )
翔くん、まちゃきの心の隙間みつけたか!?
(三井でみつけて〜♪的なね(違))

さてさて少し変化があったような無かったような
櫻葉ちゃんの一方で智潤ちゃんは…??
て事で、次は潤ちゃんsideのお話になります‎𖤐 ̖́-‬
どうぞ引き続きお願いします♡