モデルズ前提の櫻葉*智潤のお話
BLなのでご注意ください













「おー、遅かったじゃん」

「んー酔い覚ましついでに外の風あびて来た」

「何それ楽しそうなんだけど」

「んふふ。なっ、相葉ちゃん」



リーダーの声に顔を向けると、いつも通り柔らかい表情でこっちを見るから思わずコクンと頷いた




「そろそろデザートいこっかなぁ」

「え?リーダー、そこ相葉くんの席なんだけど…」

「そだっけ?まぁまぁ、どこでも一緒だろ?」

「兄さん自由だなぁ…雅紀こっち座る?」

「あ、うん…」




さっきまでオレは松潤の、リーダーは翔ちゃんの隣に座ってたけど…

ちらりとリーダーを見ると、松潤と何やら楽しそうに話してる姿で嬉しそうに細める瞳を見て


さっきよりも、リーダーは松潤に好意を寄せてるんじゃないかって不安が濃くなる。




…え、そんな訳ないよね……?




「お前大丈夫なの?」

「えっ!な、何が?」

「何か顔色わりぃけど…」

「あー…うん、ちょっと飲み過ぎたかも…」



隣に座る翔ちゃんが、顔を覗き込むように声を掛けてくるから

嘘がバレないように視線を逸らせば、不意に感じた右手の温もりに目を向けるとオレの手の上に翔ちゃんの手が重なってる



「ふはっ!しょーちゃんオレの手踏んでるよ?」

「え?あぁ、どおりで手触りゴツゴツしてんなと思ったわ」

「ひゃははは!野郎の手だからね、残念でした」

「ほんとお前の手でけぇんだよな〜…腹立つわ」

「えー!りふじん過ぎない!?」



翔ちゃんと2人、笑いながら話しては居るけど


オレの耳は松潤とリーダーの会話を拾おうとしてて、偶に拾える断片的な…内容を得れない会話に意識を持っていってしまう自分が嫌になる



「ー…で、いい?」

「え?」

「え?って何。お前聞いてなかったの?」



少しムッとした翔ちゃんの顔に慌てて、聞いてたよと否定すれば収まった眉間のシワにこっそり安心してると



「じゃあ明日、昼頃に迎え行くわ」

「え、迎え…?」

「…お前やっぱ聞いてなかったんじゃねぇの?」

「ちがっ!違う違う!えと…ほら、わざわざ迎えに来て貰うのも…って思っただけでさぁ…?」



ぎこちなく笑ってみるも、絶対に上の空だった事はバレてるんだけど…

それでもそんなオレを見て短い溜め息を吐いてから




「ほんと、お前はしょーがねぇなあ?」




がしがしと乱暴に頭を撫でる翔ちゃんの、お兄さんみたいな優しさがやたらと胸に染みて…




改めて翔ちゃんは優しいなぁと思った。








「まー」




そろそろお開きにしよう、と翔ちゃんを先頭に
リーダー、オレ、松潤の順で歩いてると遠慮がちに引かれたパーカーの裾

引いたのは勿論、松潤だったけど振り向いた先にある少し不満気な顔と



2人きりの時にしか言わない呼び名で呼ばれた事に驚いた。




「ん?どした?」

「俺知らなかったんだけど…」

「知らな…何を?」



突然、知らなかったと言われても…何の事か解らず首を傾げると更にムッとした顔をしながら



「明日!まーが休みなの知らなかったんだけど!?」



そんな可愛いらしいお怒りに自分でも口元が緩むのが解る。




「ふは、何よいきなり」

「…何で俺は知らねぇのに、翔くんは知ってんだよ?」

「しょーちゃんが、皆のスケジュール把握してんのはいつもの事じゃん」

「そう…かも知んないけどさぁ…」



何やら納得してないらしい松潤を見詰めてると

さっきまでの沈んでた気持ちが、少し浮上するのは勿論ほんとなんだけどそれと同時に





〝 まつじゅんはしてくれたのにな 〟





リーダーの言葉が耳に残って離れない。





「…潤ちゃん明日仕事?」

「思いっ切り仕事だよ」

「じゃあ…また今度にしようかな」

「何を?」

「このまま潤ちゃんの家に行こうとしてたからさ」



先に外へ行った2人が戻って来ないのを良い事に


うっすら赤く染まった、松潤の頬を親指で撫でれば甘い視線を向けて来るから



「…ね、やっぱ辞めようとしてたの辞めていい?」

「ふはっ…どう言う意味だよ」

「朝まで一緒に居ようねって意味だよ」



不安を抱えたまま1人になりたくなくて
目の前の松潤へ顔を寄せると、そっと瞳を閉じたから


きっと予想していた唇じゃなく

その長い睫毛が印象的な目元に唇を落とせば、更に赤い顔をした松潤に小さく微笑った。










つづく







✎︎____________

雅紀さん分かりやすく動揺してますね( ≖ᴗ≖​)ニヤッ
まぁ、でもここで一緒に帰ってね
朝まで2人で過ごしてたら不安も緩和するかなぁ??
どうだろう( 'ω')笑