櫻葉のお話
BLなのでご注意ください


















「櫻井さん!あのっ、これ…」

「へ?」

「良かったら受け取ってください!」



バッと頭を下げて差し出されたのは、赤い箱に白いリボンが施されたやつで

今日の日付けで中身がチョコなのは解る。



「あー…ありがとう」

「櫻井さん…♡」

「じゃあ、悪いけどここに入れてくれる?」

「へ?」



既に受け取り済のチョコが入った紙袋を拡げてそう言うと、ポカンとした顔で見て来るから




「俺すぐ帰んなきゃなんねぇから早くして」



マサキを相葉さんの所に迎えに行かなきゃいけないし、何なら早く会いたいしで確かに焦ってた


でも、別に責めるようにでもなく
何ならぶっきらぼうにすら言ってないのに貰ったのはチョコなんかじゃなくて




「バカにしてんじゃねぇよ!!!」

「ぶっ!?」



左頬への痛いビンタだった。











「ぷっ…ぷぷ、それで頬っぺ腫れてるんですか…?」

「…はい」

「ふっ…ふふふ…」

「…相葉さん。笑うならどうぞ遠慮なく笑ってください」

「ぷっ…い、いえ…」

「あー!しょおくっ…ん?」

「おぉ、マサキただいま」



事の経緯を聞いた相葉さんは、顔が見えないように下を向いてるけど

震える肩と漏れ聞こえる笑い声で、どんな顔をしてるのかが想像つく。



そりゃ笑うに決まってるし、玄関に走って来たマサキも俺の顔をじっと見てる



…慰めてくれたりすっかな?



「…しょおくん」

「ん?」


そんな淡い期待を胸にマサキの前にしゃがむと



「なにたべてるのぉ!?まーくんもほしい!」

「はっ??」

「う?だってぇ…ここはいってるでしょー?」



そう言って腫れた頬をぎゅーっと指で押してきた



「いっってぇ!!」

「う?」

「ひゃははは!あ〜もう…せっかく我慢してっ…ぷはははは!」

「はにゃ…せんせぇなんでわらってるのぉ?」

「ひーっ…ふ、ふふ…まーくんがスイッチ押すからぁ…ぷぷっ」

「う??」



腹を抱えながらゲラゲラ笑う相葉さんを、マサキが不思議そうに見てると



「まー!わすれもの!」


クマの可愛らしい袋を持ったショウが来た。




「よ、ショウ」

「あ!しょーくんおかえり!!」

「あぁ!まーくんのくまさん〜!」

「これわすれたらいみねぇだろ?」

「あぶなかったねぇ!」

「いや、わすれたのおまえだよ」



ほら、と渡された袋を受け取るとにこにこ顔をこっちに向けて




「しょおくんっ、あい!」

「ん?」

「だいすきのちょこ!!」

「へっ?」

「まーくんつくったよぉ!」

「はっ!?え、マサキがチョコ作ったの?」

「あいっ!」


大きく頷くマサキを見てから顔を上げると
相葉さんが優しく頷いたのが見えて、まさかのサプライズにきゅうぅっと胸がなる



「えぇ〜!?チョコ作れるとかもうパティシエじゃん…見ていい?」

「いーよぉ!」

「めっちゃ楽しみなんだけど…」


クマの袋から取り出したのは、同じくクマがプリントされた袋で

その中にはチョコの表面いっぱいに乗せられた、銀色のなんか小さい丸いのやら
ラムネよりは薄いっぽい、色とりどりの星やらアイスに掛けてるのを見た事があるなんか…シャー芯の短めカラフルバージョンみたいなのがあってめちゃめちゃ賑やかなやつ。



「すっげえぇー…え、マジですげぇんだけど」

「ちょこねーぐるぐるした!」

「ぐるぐる?」

「チョコ溶かすのにぐるぐるしたんだよね」

「あい!」

「おれもやった!」

「ふふ。ショウちゃんもまーくんも頑張って作ったんだよね」



相葉さんに頭を撫でられて得意気にする2人が可愛いくて、チョコも勿論嬉しいけど
マサキが楽しく過ごせてたのが良かった。



「作ってくれてありがとうな。家に帰って大事に食べるわ」

「うん!」

「まーくんかえるのぉ!」

「お、んじゃ帰るか」

「しょおくん!だっこぉー!」

「ふふ、はいよ」

「にゃー♡」



甘えたなマサキを抱き上げると香る甘い匂い



「マサキからチョコの匂いする」

「う?」

「美味そうだから間違えて食っちゃうかも」

「まーくんたべるの?」

「そうそう…あむあむーって!」

「きゃーっははは!くしゅぐったぁの!」

「ふははっ」



いつもみたいに戯れて、さあ帰るかと相葉さんに挨拶をする



「今日は本当にお世話になりました」

「いえいえ。俺ら2人も楽しかったんで、次は櫻井さんも是非」

「おれもまーのとこあそびいきたい!」

「おぉ!今度は相葉さんと一緒に遊びにおいで」

「うん!」

「ふふ。お家だったらもっと凄いのかな?」

「え?」

「櫻井さんの、まーくんへの溺愛っぷりすごいなぁと思って」

「へっ!?」

「食べちゃうくらい溺愛ですもんね」

「っ///」



くすくす笑いながら言われた言葉に、ついいつもの癖で戯れてた事に気付いたし




「しょーくん」

「ん、ん?」

「まーおいしかったぁ?」

「ぶっ!?」





こてん、と首を傾げて聞いてくるショウの言葉で次からは絶対に外ではやめておこうと誓った。












おわり♡








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という訳ではぴはぴバレンタインこれにて完結です‎𖤐 ̖́-‬
チョコ作り過程も入れると今回で終われないので
割愛しちゃった(´>ω∂`)
少しでも楽しんで貰えたら嬉しいです♡♡