智潤のお話
BLなのでご注意ください
同じ趣向の者だけが集まるBARで
この日もいつも通り、適当な相手を見繕って過ごそうとカウンター席で呑んでたら
「……、絵の具?」
偶然、隣に座ったその人の指先が汚れてる事に気付いて
人より大きいと言われる独り言を呟くとこっちを見た。
「…ん?あ、落ちきってなかったかぁ」
「きゅ、急にすみません…」
「んえ?あーそりゃ気になるよなぁ」
ふにゃりと柔らかく微笑いながら応じてくれる姿に、少なからず不快な思いをさせた訳じゃないんだと解ってホッとする
「…絵を描く仕事とかしてるんですか?」
「んにゃ。ただの趣味だなぁ」
「へぇー」
「好きな事を仕事にすんのは向いてねぇからさ」
そう言ってグラスを傾ける横顔は、どこか寂しそうにも見えて
この人に興味を持つのに時間は掛からなかった。
そこから他愛ない話を続けてると席を立ったから
もう帰るんだと、何でか少し残念に思ってると
「なぁ、俺と喋ってたんならこの後はフリーなんだろ?」
「え?まぁ…」
「じゃあさ。ホテル行かね?」
下心を少しも隠そうとしない、余りにもストレートな誘いを不快に思わない所か面白くすら受け入れてしまう
「すげぇ直球だね?」
「まどろっこしいの苦手なんだよ。時間の無駄だろ?」
「ははっ!誘いだけじゃなくて性格も素直だな」
「何だよ。行くの?行かねぇの?」
さっき迄みたいな人の良さそうな雰囲気は何処へやら
ツンとして見えるその顔に、緩く笑って席を立つ
「言っとくけど。壁うっすい安い所は勘弁だからね」
「はぁ?どこ行ったってヤる事は変わんねぇだろ」
「こっちのやる気が変わるんだよ」
「…ふははっ!マジかよ〜〜」
「ふふ。辞めとく?」
「しゃーねぇから、アンタの行き着けでいいよ」
「ッあぁ…、く…!」
「は…なぁ、もっとケツ上げて」
「はぁッ…は、もう3回目だろ?そんな体力ないっつーの…あぁ!」
「ははっ。ずっぽり挿った」
あの日から何度も抱かれた俺の躰を、すっかり知り尽くした智は俺の話なんか聞かずに自分のしたいように腰を振る
「なぁんか、ケツでかくなった?」
「ばっ…かじゃねぇの!なる訳ッ…く、ないだろ…あぁっ!」
「ふはは。そっか」
見慣れたこのホテルの部屋で
慣れたベッドの上で軽口を言われながら、揺さぶられる躰はそろそろ限界を迎えそう
「さとっ、く…さとしっ…!」
「んー?もう出ちまう?」
「もうっ…はっ、もう無理…!」
そう言って懇願するように智の方を見ると
速くなる律動と、刺激を与えられるソコ
「ははっ。確かにもう限界か…いいよ」
わざと耳元で囁くその声に、悔しいけど躰が追い詰められるのは本当にすぐで
耐える暇もないまま、シーツの上に欲を撒き散らした。
「…寝んの早くね?」
シャワーから戻ると、汚れたシーツの上に敷き詰めたバスタオルを下敷きに端の方でぐっすり眠る智
『 潤はいいな。お互い割り切りって理解してるからすげぇラクだわ 』
いつの日か言われた言葉を思い出して、胸が痛むのはそれが違うのを解ってるから。
「っとに。風邪ひくぞ」
布団も掛けず眠る姿に呆れながらも、何となく他の奴の痕がないか確認してしまう
最初は痕が無い事に安心して喜んでたけど
〝 他の奴も俺と同じように、跡を残してないだけかも知れない 〟
そう思うと、どうする事もできない
だけど処理しきれないモヤモヤだけが胸に残ってた
「…俺ってこんな不器用だったんだな」
小さく呟いて智の背中へそっと寄せた唇
自由を好む智のその羽根をもぎ取ってしまったら
智はどうなるんだろう。
END
キスお題
背中のキス:約束
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背中にキスって時点で素肌みせてるよな〜
背中向けて寝てるって事は櫻葉っぽくはないかも
(※まめの中のバカップル(櫻葉)がそう言ってるだけ)
て事は甘くなくてもいける…自由を求めるさとぴ!!!
の結果から智潤になりました(・∀・)テヘ