櫻葉のお話
BLなのでご注意ください















「ー…でさ、すっげぇ良かったんだよな〜」




タブレットの中に映し出されたのは
白銀の世界で派手なスキーウェアを身にまとって、陽気にはしゃぐ翔ちゃんの姿。




「しょーちゃんって、ほんとスキー好きだよねぇ」

「え?それは…スキーだけにって事?」

「ひゃははは!くっだらねぇ〜〜!」

「ふははっ!おーい!誰がくだらねぇんだよ」




アルコールも入っていつも以上に、饒舌で上機嫌に寒いギャグを飛ばすのを少しだけ鬱陶しく思う



こうなると次に見せられる物も決まってる





「でさ、これ見事な瞬間じゃね?」



そう言って見せられたのは、翔ちゃんの派手なスキーウェアと似たよなウェアを着た人がずっこけて顔面から雪に突っ込んでる写真




「ははっ、すげぇキレイに突っ込んでんね」

「ある意味すげぇ運動神経してんだろ?」

「て言うか撮る暇あったら助けてあげたら良くない?」

「えー?だっておもしれぇし」

「うわぁ。それが自分の彼女に向ける言葉かな」



こっちの反応を伺うような視線を向けて
わざわざ自分の彼女と行った旅行写真を見せて




「…なぁ、」

「なに?」

「怒った?」

「ふはっ、助けなくて怒ったのはオレじゃなくて彼女でしょ」




安いドラマみたいな駆け引きめいた事なんかして
なんてくだらない時間なんだろう。





「話し逸らすなよ」

「別に逸らしてないけど」

「ふぅん」




自分が望んだ言葉も、反応も貰えず拗ねるその自分勝手さすら今はまだ愛おしく思えるから


ご機嫌取りくらいはしてあげる。




「しょーちゃん、スネちゃった?」

「はぁ?拗ねる訳ねぇだろ」

「ほんと?ふふ、よかったぁ……」




自分から出る甘ったるい声を冷めた気持ちで聞きながら
短い髪から剥き出しになってる耳へ唇を寄せる




「ッ、こら、雅紀…!」

「なぁに?」

「耳は辞めろって…、」

「だって、しょーちゃんのスイッチここなんだもん」




擽ったさに身を捩る翔ちゃんに笑いながら




「ふっ…かわいーの」




わざと挑発するような事を言うと、思った通りオレを床へ押し倒す




ほんと、わかりやすい翔ちゃん。




「お前しつけぇよ」

「そんな怖い顔するくらいイヤだったの?」

「…別に」



言葉とは裏腹の思いっきり不機嫌な表情に、笑いそうな口元を誤魔化しながら逞しい首へ腕を巻き付けて






「しょーちゃん、だいすき」





翔ちゃんの望む言葉を、翔ちゃんが好きだと言った表情を貼り付けて告げれば

一気に下がる眉と満足そうな顔をしてから





「俺も。好きだよ雅紀」





そう言って、まるで恋人に囁くような甘い声で
分かりやすく吐かれた嘘に鼻で笑って


近付いて来た顔にそっと瞼を下ろした。












END









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前回の記事に優しいお言葉をありがとう〜( ;ᯅ; )
ほんと皆の優しさに支えてもらってます( ᵕ ᵕ̩̩ )♡
お話もスランプっていうか、このネタがない〜!!
期を脱したらまた勝手に妄想垂れ流してるから(・∀・)ヘヘ
その為にも短編ながらでもお話あげてくぞ‎𖤐 ̖́-‬
良かったらお付き合いお願いします(⁎ᴗ͈ˬᴗ͈⁎)

今回はセフレ関係のお話にしてみたよん*
甘々なお話が好きな人多いかなぁとは思うんだけど
真逆のお話をUPしたまめを誰か殴ってくれ(大の字)