*続編企画story(にぃにとまーくん)



櫻葉のお話。
BLなのでご注意ください





















「え〜、翔は本当に行かないの?」

「バイト入ってんだよなー」

「休んじゃえば?ほら、おばあちゃんが入院してて〜とか言ってさ!」

「…親の言うセリフとは思えねぇけど」

「だって!沖縄よ?家族で行きたいじゃない」




じゃん!とパンフレットを見せるおかん。



大学生になってから、ただでさえ家族で行動なんてどっか恥ずかしさすら感じるのに




その上




「いや。親の結婚記念日の旅行とか遠慮したい要素しかねぇわ」




そんな小っ恥ずかしい記念日は勝手にやってくれ!






「シュノーケリングとか絶対に楽しいのに〜」

「俺はいいから。三人で楽しんで来なよ」

「つまんないのー!」





ブーブー文句を言うおかんの言葉を無視しながらテレビを観てると、二階に居た雅紀が降りて来た





「お。宿題終わったか?」

「うん!あんねぇ、さっきにぃにが教えてくれた計算できるよーになったよ!」

「おー!すげぇじゃん」

「へへっ!にぃにのおかげだね!」





にこにこ笑顔で言って来るその素直さは、小さい頃から変わらないままで




…俺が小四の時ってもう少し生意気だった気がすんだけどな






「あ!雅紀もう宿題終わったの?」

「うん!にぃにが教えてくれたんだよ!」

「良かったわねぇ?…ねぇねぇ、そんな宿題を頑張った雅紀に良いお知らせでーす!」

「えっ!?なになに?」

「んふふっ、じゃーーん!」

「ん?なか…じゃない…にぃに、なんて読むの?」

「沖縄って読むんだよ」

「おきなわ…聞いた事ある!海がきれーなんでしょ?」

「そうよ〜!透き通った綺麗な海だから、海の中のお魚とかも見れるのよ」

「へえぇ!すごぉい…!」

「凄い?凄いよねぇ…雅紀行きたい?」

「うん!行きたぁい!!」




シュバッ!と手を挙げて行きたいアピールをする雅紀に、うんうん頷いて満足そうな顔




「よーし!じゃあ、来月は沖縄に行くわよ!」

「えっ!え!?おきなわ…おきなわ行くの?」

「そうよー!雅紀の新しい水着も買って行こうね!」

「わあぁーーい!!おきなわだぁ!」

「楽しみねぇ!お母さんも新しい水着買っちゃおーかしら♡」

「ぷっ、砂浜に打ち上げられたトドと間違えられんじゃね?」

「あ?」

「…ホント素直な口で困るわ…痛!」






その後、おとんが帰って来てからの夕飯の席でも沖縄トークが炸裂されてて

お土産何頼もうかな〜と思ってたら向かいに座る雅紀が




「にぃに!いっしょ泳ごうね!!」




すげぇ楽しみにして言うから思わず頷きそうになったけど




「いや。俺は留守番」

「…う?」

「お?何だ翔は行かないのか?」

「んー。バイトあっから行けねぇの」

「そうかそうか。お土産はちゃんと買って来てやるからな」

「あざーっす!」




おかんとは違って、すんなり引き下がってくれるのを有り難く思いながら雅紀を見ると


ビックリした顔でこっちを見てる。




「にぃに…行かないの?」

「うん。ごめんな?」

「…にぃに行かないのやだ…。さみしい…」

「何でだよ〜!おとんもおかんも居るだろ?寂しくねぇから大丈夫だよ」

「でもぉ…」

「雅紀。翔も予定があるからね、その代わりお土産買って来てあげような?」

「そうよ。雅紀が遊んでる所もいっぱい写真撮って、後で見せてあげたらいいんだよ」

「そーだよ!雅紀が選んでくれたお土産も、雅紀が沖縄満喫してる写真もすっげぇ楽しみにしてるからな?」

「……ん…」





わかり易くシュン、と落ち込む雅紀に悪いなとは思うけど



それでもやっぱり、家族旅行に行く気にはなれなかった。




















つづく













✎︎____________

続編企画のお話はじまりました- ̗̀‎𖤐
最初にお伝えしてた通り軽くぴんく要素アリなので
途中で限定記事を挟みます(❁ᴗ͈ˬᴗ͈)
ぜひお付き合い頂けたら嬉しいです♡♡