櫻葉のお話
BLなのでご注意ください
ー…ピーンポーン
「あ!来た!!」
ポテトサラダにラップを掛けたその時、部屋に響いたチャイム音に慌ててモニターの通話ボタンを押す
「しょーちゃんお疲れさま!入って来てー!」
そう言ってエントランスの鍵を開ければ、翔ちゃんは画面越しに柔らかい笑顔を向けた
再び聞こえたチャイム音に、出迎えようとして気付いた白い布の存在
慌てて紙袋から取り出してから、ニットの上に着けて
「くふふっ!しょーちゃん爆笑するかなぁ」
なんてわくわくしながら玄関の扉を開けた
「しょーちゃん!いらっしゃあい!!」
思ったより勢い良く開いてしまったドアに驚いたのか
元々、大きいくりくりした瞳を更に大きく見開いて俺を見る翔ちゃん
「あ、ごめん!思ったよりドアが元気に開いちゃった」
「……」
「ん?しょーちゃーん?」
「…おっ、お前ドアくらい静かに開けろよな?」
「あひゃひゃ!ごめんごめん」
「さあ、どーぞー!」と家に招き入れると笑顔で着いて来た翔ちゃんだけど…
うーん。思ってたより全然ウケてくんないんだけどな…?
「わー!すっげぇいい匂いすんだけど!!」
「しょーちゃん、先に手ぇ洗って来てよー」
何度か家に来た事のある翔ちゃんは洗面所の場所を把握してるから、ハンドタオルだけ渡して手を洗いに行って貰って
その間に味噌汁を温めて、ポテトサラダと生姜焼きに掛けてたラップも外して、冷蔵庫に入れてたほうれん草の白和えもテーブルに並べて配膳完了。
あ、そういや漬物もあったよな…と再度冷蔵庫を漁ってると戻って来た翔ちゃんが再び歓喜の声を上げた
「うっわー!!え、まじで凄くね!?これ雅紀が作ってくれたの?」
「んふふ、そうだよ!しょーちゃんに食べて貰いたくて頑張ったんだから」
「うわーまじかよ…やべぇ嬉し過ぎるわ…」
「生姜焼きはね、ニノがしょーちゃん食べたいって言ってたから喜ぶよって教えてくれたんだよ」
「え!?ニノそんな事言ったの?」
「うん」
立ったままの翔ちゃんに、何で座んないの?と笑って座るように諭せば
ふにゃりとした幸せそうな笑顔を向けてくれるから、こっちまで嬉しい気持ちになっちゃうな
二人揃っていただきます、と手を合わせて翔ちゃんが味噌汁へ手を伸ばしたのを伺う様に見てると一口啜って
「ん!んめぇ!」
「ほんと!?よかったぁー!」
「いやまじうめぇ。これシジミ?」
「そうだよ!しょーちゃん貝好きだからシジミの味噌汁にしたの」
「まじかー…いやその気遣いがすげぇ嬉しいわ」
うめぇうめぇと言いながら口いっぱい頬張る翔ちゃんが、子供みたいで凄く可愛い
「くふふ、そんなに頬張らなくてもまだあるからゆっくり食べなよ」
「いや、ちげぇんだよ!箸が勝手に俺の口へ次から次へと突っ込んで来るんだって!」
「あひゃひゃ!なんだよそれ〜」
「あーまじ幸せだわ…」
「そんなに気に入って貰えたなら良かった」
にこにこ美味しそうに食べてくれる翔ちゃんを見てたら、ぱちりと合った視線。
よっぽどオレが変な顔して見てたのか「なんちゅー顔で見てんだよ…」なんて恥ずかしそうに言って視線を逸らすから
何かそんな可愛い姿を見てると、ある筈のないオレの母性がきゅんきゅん鳴ってる気がした。
(母性って鳴くのか知らないけど)
「ごちそうさま。あー!まじで美味かった!!」
「いっぱい食べてくれたね!」
「もう箸と口が止まらなかったわ…雅紀の料理すげー美味いのな!」
「あひゃひゃ!そんな褒めてくれても出せるのはビールくらいしかないよ?」
「えっ、」
「しょーちゃんさえ良かったら、泊まってってくれていいし」
あ、もし明日朝から仕事だったら帰るかな?と思いながら食器を下げてれば
後ろから翔ちゃんが同じように食器を持ってキッチンに来た
「あ、あのさ…」
「食器ありがとー。ん?」
「いや全然…てか本当に泊まっていいの?」
翔ちゃんから受け取った食器をシンクに置いて振り向くと
遠慮がちに聞いて来た翔ちゃんの顔には、やっぱり疲れがあるしクマも心なしか濃くなってるような…
「勿論!オレは大歓迎だよ」
気遣い屋さんの翔ちゃんが気にしないように、笑顔でそう答えれば翔ちゃんも柔らかい表情になったから
「先にお風呂入っておいで?」
そう言って翔ちゃんの背中をトン、と押した。
つづく
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昨日さっそく櫻葉ポスター探してみたけど無かった…
まだ早かったのかな〜( ˘•ω•˘ )
遭遇できなかった、なんて事だけは避けたい(´. ̯.`)
もう遭遇した人とか居るのかな???
ではでは!今日も会いに来てくれてありがとう(❁ᴗ͈ˬᴗ͈))