櫻葉のお話。
※Aくんにょた化なのでご注意♡













翔ちゃんから、たくさん幸せを貰ったハジメテを終えて


テストも無事に赤点回避は勿論、前回よりも良い点が取れてて




後は冬休みを待つばかりの中、今日は翔ちゃんと初めてのデート♡






「うぅ〜髪巻いてたら時間ギリギリになっちゃった…!」




お気に入りのブーツで走って行くと
待ち合わせ場所には何故か、女の人がたくさん居るような…?



「えぇ?何…何かあるのかな?」


折角、人混みで解らない事がないようにって駅前を避けた裏通りのカフェ前で待ち合わせたのにこれじゃあ意味がない。



「しょーちゃんまだ来てなかったら良いけど…」



お店に近付くに連れて、この人だかりは並んでる訳じゃなく何かを見て愉しそうにきゃいきゃい騒いでる事に気付く


何があるのか若干気になったけど、翔ちゃんが私に気付かなかったら大変だと大人しく人だかりの外で待つ。



「さむぅ…」


寒いのを理由に、翔ちゃんと手を繋ぎたいなぁと思って手袋をしなかった事を少しだけ後悔しつつ冷たい手にハァーって息を掛けてたら



「雅紀!」

「あれ?しょーちゃん!」


人だかりの中から翔ちゃんが出て来た




「え!お前いつ来たんだよ?」

「今来たとこ!しょーちゃんも?」

「いや…ちょっとだけ早く着いたからそこで待ってたんだよ。したらいつの間にか人増えてるから、お前来ても解んねぇなと思って出て来た」

「そーだったの!?待たせてごめんね。寒くない?」



翔ちゃんの頬っぺをむにゅ、って軽く両手で挟むとやっぱり冷たくなってて申し訳ない気持ちになる



「やっぱ冷たくなってる…あ!カイロ使う?」

「…なぁ、お前こそ寒くねぇの?」

「へ?」



そう言った翔ちゃんの視線を辿るとロングブーツこそ穿いてるけど、剥き出しになった脚



「慣れたら寒くないよ!」

「そう言う事じゃねぇんだけど…。寒いんだからそんな脚出してたら風邪ひくだろ?」




だってだって。

折角の初デートで、大好きな翔ちゃんに見て貰うんだから少しでも可愛いくしたかったんだもん




そう思いながら、何でか少しだけムッとした顔の翔ちゃんの後ろに見えたのは

さっきまで色めき立ってた女の子たちで、こっちに向ける鋭い視線で理解した



この人たち皆、翔ちゃんに見蕩れてたんだ!!!




「雅紀?聞いてる?」

「しょーちゃん…」

「ん?」

「脚よりも手が冷たい…ほら、赤くなってる」



今日の為に綺麗に塗り直した、ピンクのネイルよりも赤くなった手先を見せる



「おま…そんな薄い格好で手袋もしてねぇのかよ!?」

「だって。しょーちゃんと手ぇ繋ぎたかったんだもん」

「え…えぇ〜?」

「しょーちゃん、早く手ぇ繋ご?」



ムッとした顔から一変して、デレっとした顔の翔ちゃんに手を差し出せば



「っとに…しゃーねぇなあ?」


なんて言いながら満更でもなさそうに大きな手を伸ばして、指を絡めてくれる



「へへっ、しょーちゃんだいすき♡」

「ははっ、何だそれ」



相変わらず翔ちゃんの後ろから睨みつける女の子たちに見せ付けるみたいに、しっかり恋人繋ぎした手をブンブン振ってアピールする


あっかんべーーーだっ!!




「…あのさ、俺その服の事を言ったり…今まで束縛とかした事ねぇんだけど。お前にはしそうで怖い…」

「くふふっ、する方が怖いの?」

「だって…それで嫌われたらイヤじゃん」



眉間にシワを寄せて、複雑そうに眉を下げる顔を見て


溢れるのは愛おしさ以外にある訳がない。



「大丈夫だよ、しょーちゃん。だってあたしも束縛するもん」

「…ふふ、お前もすんの?」

「くふふっ、うん。いっぱい束縛しちゃうし今だってヤキモチ妬いてるもん!」

「は?今?」



あんなにきゃいきゃい騒がれてたのに
何も気付いてない無自覚さに少し呆れるけど



「だからね、怖がらなくていいよ!」



翔ちゃんが他の人に目移りしないように
繋いだこの手が離れないように



ずっとふたりで並んでいれたら良いな。










「あ!そう言えばね、潤ちゃん今日大事な日なんだよ!」

「大事な日?」

「うん。前にハンドクリーム贈った人居るでしょ?パン屋さんの」

「おぉ。」

「くふふっ!今日ね、ハンドクリームのお礼にってご飯に誘われたんだって!」

「……なぁ、そのご飯ってさイタリアン系つってなかった?」

「えー!何で知ってんの!?」

「マジかよ…。」

「あ。そう言えばさとくんが、しょーちゃんに良い店教えて貰ったって言ってたけど何のお店教えたの?」

「…まさにその店だよ」

「んえ?」

「もしかしたら今から行く店で潤に会うかも。しかも智くん付きで」

「えっ!みんな一気に集まるなんて凄い偶然じゃない!?わあぁっ…会えたら凄…ん?」

「ん?」

「さとくん付きでってどういうこと?」

「………」

「しょーちゃん?」

「智くんの仕事はパン作りだろ?潤が想ってる相手は?」

「…パン屋さん?」

「そういう事」




前を向いて歩く翔ちゃんの言葉を頭の中で繰り返すけど


この時の私は潤ちゃんの想い人がさとくん、だなんて全く考えも付かなかったから




「ねぇー!そういうって、どういう事ー!?」




イタリアンのお店に着いた先で
潤ちゃんとさとくんのツーショットに遭遇するまで、翔ちゃんにしつこく訊ねていた。


















END

















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相変わらずの見切り発車で始まったお話ですが
なんとか終われて良かったですε-(´∀`*)
ちょっと限定続きで読めなかった方には申し訳ないですが
最後までお付き合い頂きありがとうございました♡

お話の更新を4日くらいお休みして(多分)
また違うお話をUPしていく予定です(´ω`)
次のお話でもお会いできますように♡♡