櫻葉のお話。
BLなのでご注意ください。
ー Sside ー
小学生の頃から男子校に通ってたから
女の子とは接点が無いと思われがちだけど
『わぁ!櫻井くん頭いいんだねぇ』
『そ、そーかな?』
『だってさっき習ったばっかなのに、もう解けるんでしょ?』
『凄いよね!天才だあ』
『いやいや、大袈裟だわ』
学校の外に出れば、両親が共働きな事もあって
塾を筆頭にピアノだの、習字だのと習い事を沢山してたからそこでの出会いがある訳で
そこには当然、同じ年頃の女の子だって居る。
『ねぇねぇ、あたしココ分かんなくてぇ…』
『え?』
『あっ!ずるぅい!あたしは、こっちが分かんないのぉ』
『は?あたしが先に聞いたんだけど?』
『はい?別に早いも遅いもなくない?』
俺を挟んで女の子が言い合う事も珍しく思わないくらいには、慣れた環境に居てどうやら俺はイケメンの部類に入るらしい
そんな見てくれも相俟ってか男子校と言えども
登下校中に知らない女の子から視線を向けられる事も、女の子から遊びに誘われる事もしょっちゅうあった。
『最近、良く会ってるよね』
『ん?あぁ、そーだな』
友だち含めて数人で遊ぶようになったその子が
遊びに行った帰り道で突然、そんな事を言うから頷くと
『皆で遊ぶのも楽しいけど、本当は翔くんと二人で遊びたいんだ』
『へっ?』
『だってね、あたし翔くんが好きなんだもん』
初めて女の子から言われた〝 好き 〟の言葉になのか
それともその子に言われたからなのか
どっちなのかハッキリ解らないけど、胸がバクンバクンするのは確かで
『翔くんは…きらい?』
『べっ、別に…きらいじゃねぇけど…』
『じゃあ好き?』
『へあっ!?す、す…』
『す…?』
『す…すき…かも///』
『ほんとぉ!?』
ずっと可愛いとは思ってたし、一緒に居て楽しいとも思ってた。
それを好きと認識した事はなかったけど
俺の言葉で、パアッと可愛い笑顔で喜ぶその子を見て初めて自分も好意を抱いてた事に気が付いた
そんな、初めて手を繋いで軽いキスをするだけの可愛い恋はこれが最初で最後になって
中学二年の夏に初めて、キス以上の経験をした
つづく
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先日、この話の中で医者×ナースの描写書いたんですけど
(DVDのやつね!)
数名の方からメッセージで『あれの櫻葉ver見たい』
って頂いて笑ってしまったꉂꉂ(ˊᗜˋ*)笑
何か前にこの話の中で映画観た中でのセリフ書いた時も
『映画どんな内容か気になる』ってコメント頂いたし
みんなそこ求めてるの!?ってポイントよ(*´艸`)笑
細かい所まで目を向けてくれてありがとう♡♡