今回は智潤のお話♡
BLなのでご注意ください。
翔くんとマサキが帰ってから数時間
リビングで眠るジュンが起きたら気付けるようにと、寝室の引き戸は開けっ放しにしつつ
最近お気に入りの釣り動画に見入ってたら
ガシャーーーン!!!
「うおっ!?な、何だ!」
急に聞こえた派手な物音にびっくりして慌ててリビングへと走って行けば
「ジュン!何してんだ!?」
「みゃあー!!」
「あっ!おまえっ…」
テーブルの上に、コーヒーが入ったまま置きっぱなしにしてたマグカップが綺麗に割れていた
え~…まじかよおぉ…
「おっまえ…ハァ。取り敢えず危ないからちょっとケージに入ってな」
「みゃあ!」
「いててっ…みゃあじゃねぇよもうー」
「みゃお!」
「…みゃあじゃなけりゃ良いって訳じゃねぇかんな?」
ケージに入れられて不満そうなジュンを横目に割れたカップの破片を拾い集めて
濡れたフローリングを拭いて、掃除機をかけて…
…いっその事もう紙コップで生活するしかねぇか????
そう思う位のダメージを受けた。
「ほら、綺麗なったから出て来ていいぞー」
「みゃー」
「あ、そうだ寝室のドア閉めとかねぇとな」
釣り道具を触られたら堪んねぇ、としっかり閉めてふと足元を見れば
ちょこん、と座ったジュンが俺を見上げてた
「そういやお前飯まだだったよな…」
ひょいっ、と抱き上げて餌が入ってる袋を開けるとゆらゆら動くジュンの長い尻尾が顔に柔らかく当たって擽ったい
「ほら、出来たぞ」
新しく買った餌入れにジュンの餌を入れて
マットを敷いた上にそれを置けばジュンは勢い良く食べだした
「ぶふっ、必死かよ」
勢い良く、くちゃくちゃ言わせながら食うから思わず笑う
そんな必死な姿を動画に撮って
今日から短い間ではあるけど親仲間になった翔くんへ送りつけた
ジュンが餌を食ってる間に風呂掃除を終わらせてリビングに戻ると、ジュンは食べ終わったらしく何やらそわそわしてる
「ん?どした?」
声を掛けるとちらり、俺へ顔を向けてまたすぐに部屋の中をうろうろするから首を傾げる
「ジュン、トイレか?」
まさかなーとは思いながらジュンを抱き上げてトイレに降ろしてみたけど、トイレの砂をくんくん匂っただけですぐに出て来てまたうろうろ。
「みゃあー!」
「んー?」
「みゃあっ、みゃ!」
「んんー?」
俺の足にしがみついて何かを訴えるように啼くけど…生憎わかんねぇ。
取り敢えず今日のジュンの行動を思い返してみると、浮かんだ一つの物
「もしかして…これか?」
昼間マサキと取り合ってた鼠の小さなぬいぐるみを振って見せれば、ぬいぐるみの首に着いた鈴がちりんちりん鳴ってジュンはじーーっとぬいぐるみを見つめてる
「やっぱこれか。ほら、ほら」
ぬいぐるみを持ったまま左右に動かしてやると、ぬいぐるみの動きに合わせて頭ごと動かすその可愛いさに口元が緩む
「みゃおっ!!」
てしっ、と伸ばされた手はしっかりぬいぐるみを捉えてるから
思い浮かぶ褒め言葉を投げ掛けながらぬいぐるみを渡すと、ジュンは抱え込む様にしてぬいぐるみに齧りついてる。
「んふふ。やっぱ可愛いよなぁ」
小さな頭を撫でれば、もっともっとと言わんばかりに頭を押し付けて来るから
ジュンの望みどおり、思う存分撫でてやった
つづく
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智潤メインで書くの初めてですね〜!!
こちらも、にゃんこじゅんちゃんが寝るまで
もう少し見届けていただけたらと思います( *ˊᵕˋ)♡