櫻葉のお話。
BLなのでご注意ください。















  〝  翔ちゃんに抱かれたい 〟


なんて可笑しな願望を抱いたせいなのか
最近は翔ちゃんの躰を見なくてもドキドキして益々自分が可笑しくなってる。


今だって




「ふふ、本当ですか?」

「いやいやマジなんだって」



スタッフの女の子と二人で仲良く話してるのを見てもやもや…嫌な気持ちになってるもん。


それ所か




「…しょーちゃん、あーゆー子がタイプなのかなぁ」




翔ちゃんの女の子のタイプなんか気になりだしていよいよ本格的にマズイ気がする。




「あーいばちゃんっ」

「あ。リーダー」

「どう?工事計画進んでる?」

「ひゃははは!だからしないっつーの!」



唯一オレの可笑しな願望を知ってるリーダーが、面白がってネタにしてくれてるのがホントにありがたい。



「そういやリーダーもう食べた?」

「んえ?弁当あるんか?」

「違う違う。撮影で使うフルーツあるでしょ?それ使わない分はカットしてカップに入れてるから良かったら食べてくださいねーって」

「…ケーキじゃないんかぁ」

「くふふ。スイーツ部したかったねぇ?」



隣でソファーに深く沈むリーダーの頬を軽く突くと、柔らかく笑って「やめろやぁ〜」なんて言うその声すら癒し効果があるのか

さっきまでのもやもやは綺麗に消えた。



「どーする?食べるならオレの分と一緒に持って来るけど」

「んー…」

「相葉くん」



呼ばれた方へ振り向くと、いつの間にかフルーツの入ったカップを両手に持つ翔ちゃんが。



「あっ!しょーちゃんフルーツ貰って来たの?」

「おう。相葉くんのも貰って来たから一緒に食わねぇ?」

「えっ、まじで!?食べる食べる!」

「んじゃこっちおいで」



優しく微笑う翔ちゃんにパイプ椅子と机が置かれてる方に呼ばれたから
うきうきでソファーから腰を上げると、グイッと引っ張られた服。


視線を下げれば少しムッとした顔のリーダー



「あいばちゃん。おれは?」

「え?」

「フルーツ!おれにもくう?って聞いたじゃんか」

「…あぁっ!そうだった!」

「…忘れてたんか」

「ち、ちがちが…忘れてないよぉ!」


いやホントは翔ちゃんに誘われたのが嬉しくて、食べるか聞いた事すら綺麗に忘れてたけど…


「ほんとかよ…」

「じゃあリーダーも一緒に食べよ?ね?オレがリーダーの分も持って来るからさ」

「ふぅーん…」

「もぉー!拗ねないのっ。ね?」



両手で頬っぺを挟んでうりうり。
リーダーの顔も綻んで来てホッとしてると待ちくたびれたのか翔ちゃんがリーダーに声を掛けた



「兄さん。松本が呼んでたよ」

「…んあ?まちゅじゅんが?」

「そ。だから早くあっち行っといで」

「んふふふ。そりゃえらくタイミングがいい呼び出しだなぁー?」

「…そう?」

「まぁ、まちゅじゅんの呼び出しならしゃーねぇなぁ」



ソファーに深く沈んでたからか、ぴょこんと跳ねた髪をふわふわ揺らしながら優しい顔でリーダーは松潤の元へと向かった。







「ん〜〜っ!いちごおいしーね!」

「オレンジもうめぇよ」

「あれ?オレのやつオレンジさっきの一つしかなかったっぽい」


翔ちゃんオススメのオレンジを食べようと思ったのに、生憎カップの中にはいちごとブドウとりんごしか残ってない。


「まじ?んじゃ食うか?」

「へ?」


ずいっ、と出されたオレンジを持った翔ちゃんの指に暫し固まる。

…え、直で?ピンに刺してとかじゃなくて??



「おーい。いらねぇの?」

「へっ?あ、ううん!食べるっ…」

「んじゃ口あけて。あーん」

「あ、あーん…」


遠慮がちに口をあけて、ぽいっと放り込まれるのを待ってたのに何故だろう??

翔ちゃんは指ごとオレの口の中に入れて来た



「っ…は、はの…」

「……」

「ひょーひゃふ…?」


指を噛む訳にもいかず。
口を開けたまま翔ちゃんに助けを求めるけど、じーっと見るだけで指を抜いてくれなくて

遂にだらしく開いた口の端から涎が垂れた



「んん!」

「ふははっ!お前涎垂らしてんなよなー」

「しょーちゃんが指抜いてくれないからでしょ!」

「ははっ。見てお前の涎で指べっとべと」


涎が垂れた事で抜かれた指は、オレのせいでべとべとになってて…悪い事したと思う反面なんだかいけないものを見た気がして顔が熱くなる。



「ご、ごめ…えっと!ティッシュが…」

「わ、やべやべ」


焦る翔ちゃんの声に振り向いた先の光景にオレは目を疑った。

だって


…だって!!!!



「しょっ、しょーちゃ…!なにして…」

「んあ?お前の涎が垂れそうだったから」



なんでオレの涎が付いた指の付け根に舌 這わせてんの!!?


ていうか!その顔えろいから辞めて!!

いやもうその行為自体がえろいから辞めてー!!




「だ、だからティッシュ…」

「間に合わなかっただろ。…てかさ」

「え?」

「何でそんな顔あかいの?」



口の端を上げて笑う翔ちゃんの顔で更に熱くなる顔を背けて、バクバク速く動く胸を服の上からぎゅーーと握り締める。



「…雅紀」

「っ、」

「まーさき。雅紀。なぁ、こっち見てよ」




皆の前では普通に 〝 相葉くん 〟なのに


最近、二人になると偶に出る 〝 雅紀 〟呼びに無性にドキドキするし何だか声も甘く聞こえて




「…しょー、ちゃん……」




早く女の子になって翔ちゃんに包まれたいって思ってしまうんだ。











そんな想いが強過ぎたのかオレはミラクルを起こす事になる。















つづく












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このフルーツわけっこも実話です(笑)
(`^3^´) 相葉くん一緒にたべよー♡
5人での撮影現場でなぜ雅紀ただ一人の分だけ??
ねーーもう怖い。雅紀しか見えてないしょおくん怖い。

次回、ついに雅紀しゃらしゃらぽん☆にかかる!