櫻葉のお話。
BLなのでご注意ください。















「といっ…と…といっとおー!」



母さんに作って貰ったらしい、手作り感満載のスティッキをくるくる回しながら何か叫ぶ10歳下の弟に思わず首を傾げる。



「え?なんて?」

「と…といっ、と…」

「とりっく、おあ、とりーと」


助け舟を出した母さんの言葉に「といっあとー!」とオリジナル言葉で返す雅紀に笑ってしまう。


「にぃに!」

「ぶふっ、なに?」

「といっあとーと!」


さっきとはまた違う変化した言葉にゲラゲラ声を上げて笑えば、気に入らないのかスティッキの先端にある星の形をした画用紙でべしべし叩いてくる。


地味に痛いな!?



「痛っ、痛いって!」

「といっとあーと!」

「お前の呪文オリジナルが過ぎるんだよ!」

「ちょこくらさい!」

「もう普通に物乞いしてんじゃねぇかよ」



ちょーこぉ!ちょーこおぉ!!と何故かお菓子じゃなく、チョコ限定でたかってくる雅紀に待ってろと告げて

冷蔵庫を漁ってみれば個包装されたチョコが入った袋を見付けたから、そこから三個ほど拝借して雅紀の元に戻る。



「雅紀、手だして」

「ん」


ずいっ、と思い切り拡げて出された掌は小さくてチョコ一つで限界そう。



「ほい」


ぽん、とチョコを一つ乗せてやるときらきらした目で嬉しそうに見上げてくるのはやっぱり可愛い訳で


「反対の手も出してくれたら、チョコもう一つあげれるよ?」

「ちょこぉ!」


あんなに嬉しそうに振り回してた母さんお手製のスティッキもチョコには勝てないらしく、迷う事無くポイッと放る。



「両手くっつけてー…手もパーにしないでこぉして…はいどうぞ」

「ふわあぁ…ちょこぉ!」



持って来た三個を小さな掌に乗せれば、更にきらきらした目でぴょんぴょん跳ねる雅紀に俺も満足気に笑う。




「チョコたくさんで嬉しいね?」

「うんっ!」

「じゃあ次はにぃにの番ね?」

「あーい!」



絶対に何の事か分かってない癖に元気良く返事する雅紀が、放り捨てたスティッキを拾って


「トリックオアトリート!」

「…う?」

「雅紀もにぃにに、トリックオアトリートってしたらチョコ貰えたでしょ?」

「うん」

「じゃあ雅紀もにぃににお菓子頂戴?」

「おかし…?」

「うん」


キョトン、とする雅紀は暫く考えてからハッと気付いたように掌のチョコを一つにこにこしながら



「どーじょ!」



なんて優しく分けてくれようとしたけど意地悪な俺はそれを断る。



「ううん。だってそれはにぃにが雅紀に上げたでしょ?」

「うん」

「だったら他のじゃないとダメだよ」

「…これ…め?」

「め。」

「あう…」



んーと、んーと。と考える雅紀にはイタズラされる選択しかないからどんだけ考えても意味がない。



「雅紀お菓子ないの?」

「…ないぃ」

「じゃあイタズラね」

「いたずらぁ…?」

「…イタズラの刑だー!」

「ひゃあぁ!!」



ぷにぷに、まぁるい可愛い頬っぺを目掛けて食べる振りで軽く歯を立てるときゃらきゃら可愛い笑い声をあげる。



「きゃははは!やぁー!」

「バクバクバク…旨い頬っぺだなぁー?」

「きゃーっはははは!」

「次は…この腕食べちゃおっかな?」

「ひゃはははは!たべちゃめなの!」

「…バクバクー!」

「きゃーっはははは!」






10歳下の可愛い弟への愛情たっぷりなスキンシップ。



それが違う意味に変わるのか否かはまた別のお話…☆







☆★ HAPPY  HELLOWEEN!★☆















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せっかくのハロウィンなのでハロウィンネタを…✿*:
夜にUPするの初めてだ〜!!
数年後には濃いめの愛情表現に変わってるかな♡笑

お付き合い下さり有難うございました(❁ᴗ͈ˬᴗ͈)